2017年5月26日金曜日

出会い系バーに出入りした人の“末路” ( 小田嶋隆 日経BP);「政権に弓引いた者の末路」を見せつけることで、...  「権力は、どんなことでもやってのける」ということのシミュレーションを、これ以上ない形で体験した / 前川前次官問題で“官邸の謀略丸乗り”の事実が満天下に! 読売新聞の“政権広報紙”ぶりを徹底検証(リテラ) / 官邸の情報操作に加担した読売(大西宏 BLOGOS) / それでもやっぱり「出会い系」にデカイ見出しをたてるのか、読売さん。 / 「なぜ今頃」「行動が理解出来ない」「辞任のうっぷん晴らしでは」との文科省職員の言葉と「出会い系バー通い」との見出しを汗拭く前川氏の写真と共に載せ「涙ぐましい必死の印象操作」 / カメラのレンズが曇るほど、あの部屋にいた全員が汗だくだったのに、前川氏の汗だけわざわざクローズアップしたNHKや産経       


(略)

記者は、前川前次官が

《……在職中、売春や援助交際の交渉の場になっている東京都新宿区歌舞伎町の出会い系バーに、頻繁に出入りしていたことが関係者への取材でわかった。》

 ことを伝えたうえで

《教育行政のトップとして不適切な行動に対し、批判が上がりそうだ。》

 と書いている。

 正直なところを申し上げるに、失笑せずにはおれなかった。

「批判が上がりそうだ」

 という文末表現の真骨頂を、久しぶりに見た気がしたからだ。

(略)

 真意は
「な、こいつヤバいだろ? みんなでどんどん批判して炎上させようぜ」
 といったあたりになる。
 実に凶悪な修辞法だ。

(略)

 記者は、前川前次官が、出会い系バーに通っていたことについて
「関係者への取材でわかった」
 という以上の証拠を明示していない。

 「出会い系バー」についても「売春や援助交際の交渉の場になっている」と説明していながら、前川前次官本人が、実際に「売春」や「援助交際」をしていたかどうかは明らかにしていない。相手となった女性の証言も取っていないし写真も掲載していない。

  つまり、この記事は、「関係者」とされる人間の「証言」(っていうか「噂」)のみを元に構成されていることになる。
 こんなヨタ記事を、仮にも世界一の発行部数を誇る読売新聞が執筆して配信したことを、われわれはどう受け止めれば良いのだろうか。

 仮に、前川前次官が、その「出会い系バー」とやらに出入りしていたことが事実なのだとして、では、勤務時間外に一私人が、歌舞伎町のその種の店に出入りすることは、果たして犯罪なのだろうか。

 とんでもない。
 どこからどう見ても犯罪ではない。

(略)

  要するに、読売新聞は、前川前次官の人格を貶めたかったのではなかろうか。
 では、どうして彼らは、前川前次官の世評を泥まみれにすることを狙ったのであろうか。

(略)

 むしろ、政権にとって不都合な証言をした官僚に「制裁」じみた報道圧力が加えられたことで、文書の信憑性は高まったとさえ言える。

(略)

  皮肉なのは、今回の読売新聞の報道が、これまで同紙が懸命に否定してきた「共謀罪」(あるいは「テロ等準備罪」)の脅威を裏書きする結果を招いている点だ。

 もちろん今回の事件そのものは、「共謀罪」とは無縁だ。
 前次官も、加計学園グループも、共謀罪と直接の関連のある人物や組織ではない。

 それでも私が、今回の一連の経緯を眺めながら、「共謀罪」がもたらすであろう未来に思いを馳せずにおれなかったのは、前川前次官をめぐる騒動を通じて、国家権力が「政権にとって不都合な情報をリークする人間」をどんなふうに遇するのか、そのモデルケースが可視化されたからだ。

 無論、「官邸が読売新聞にリークして書かせた」というのは臆測に過ぎない。
 一方で、さしたる根拠もないまま、個人の人格を攻撃する記事を大手の新聞が載せることの違和感ははっきりしている。官邸にとって大打撃になるインタビューに登場した個人を、だ。

 なので、われわれは、「権力は、どんなことでもやってのける」ということのシミュレーションを、これ以上ない形で体験した、くらいのことは言っても良いだろう。

 このことは、共謀罪が施行されたあかつきには、同じように「政権なり捜査機関にとって邪魔だったり不都合だったりする対象に対して」彼らが、「逮捕」「拘束」「検挙」といった、より強圧的な態度で報いるであろうことを物語っている。

 ついでに言えば、逮捕理由は、「秘密保護法」によって、開示されないかもしれない。
 実にぞっとする近未来ではないか。

(略)























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