日経新聞
石川啄木の受験席次表見つかる 128人中10位
「古書大入札会」に出品
2013/7/6 9:18
岩手県出身の歌人、石川啄木(1886~1912年)が盛岡尋常中(現・盛岡一高)を受験、合格した際の席次表が見つかり、東京古書会館(東京・神田)で7日開かれる「明治古典会七夕古書大入札会」に出品される。
啄木の席次は合格者128人中10位。入学時の年齢は12歳と、通常より1年早い受験にもかかわらずの好成績で“神童”とうたわれた少年時代の英才ぶりをうかがわせる。
石川啄木記念館(盛岡市)によると、入試成績は研究者の文献などから知られていたが、裏付ける資料が確認されたのは初めて。
出品した古書店などによると、席次表は和紙の巻物に毛筆書き。当時の学校関係者が筆写したものとみられる。冒頭に「及第者人名」と書かれ、合格者の姓名が順位とともに並んでいる。啄木は「十 石川一」と本名で記されている。
席次表は、啄木が友人の宮崎道郎に宛てた書簡とともに保管され、「道郎」の判も押されていることから、宮崎が長年所持していたとみられる。その後の経緯は不明だが、ある画商の手に渡り、昨年、画商から入手した東京都小金井市の古書店が価値に気付いて出品を決めた。
啄木は渋民村(現・盛岡市)の渋民尋常小に学齢より1年早く入学、首席で卒業後、盛岡高等小を経て、県内で最難関の盛岡尋常中を受験した。競争倍率は3~4倍だったという。
席次表は啄木関係の他の資料3点と一緒に出品され、入札最低価格は合わせて600万円。入札に先立ち古書会館で展示されている。〔共同〕
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