朝日新聞 2013年7月26日12時8分
吉見教授、維新議員を提訴 慰安婦問題の著書巡る発言で
従軍慰安婦問題を研究する吉見義明・中央大教授が26日、「記者会見の場で自著の内容を捏造(ねつぞう)と言われ、名誉を傷つけられた」として、日本維新の会の桜内文城(ふみき)衆院議員に1200万円の損害賠償と謝罪広告の掲載などを求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、慰安婦問題などをめぐる一連の発言に関して、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が5月27日に東京都内で記者会見した際、司会者が参考文献として従軍慰安婦に関する吉見氏の著書を紹介。会見に同席していた桜内氏が「これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と発言した。
吉見氏が6月、発言の撤回と謝罪を求めたところ、桜内氏は「『これは』というのは司会者の別の発言を指したもので、吉見氏の著書を指したものではない」と反論したという。
吉見氏は「文脈から、著書を捏造と指摘したのは明らか。研究者としての名誉と信用が著しく傷つけられたうえ、発言の映像がインターネットで世界中に繰り返し流され、苦痛を受け続けている」と訴えている。
桜内氏の事務所は「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としている。
MSN
「『捏造』発言で名誉毀損」 中大教授が維新議員を提訴
2013.7.26 13:08 [歴史認識]
日本維新の会の桜内文城衆院議員に著書の内容を「捏造(ねつぞう)」と指摘され、名誉を傷つけられたとして、「従軍慰安婦」などの著書がある中央大の吉見義明教授が26日、桜内氏を相手取り、1200万円の損害賠償と謝罪広告の掲載などを求める訴えを東京地裁に起こした。
訴状によると、桜内氏は今年5月27日に日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が日本外国特派員協会で行った記者会見に同席。司会者が吉見教授の著書を紹介した後、「吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これは既に捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と発言した。
原告側は「著書『従軍慰安婦』の英訳本を『捏造』と指摘する発言で、原告の名誉と信用を根底から覆すのみならず、研究者としての存在そのものを否定するに等しい行為」と主張。会見の様子は動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」に配信されており「原告の苦痛はこの瞬間も新たに発生している」としている。
桜内氏の事務所は「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としている。
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