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夏休み 学校プール開放中止の動き
7月27日 0時16分
夏休み 学校プール開放中止の動き
プールでの安全管理を徹底するため、警察庁が去年「監視業務を外部に委託する場合、警備業の認定を受けた業者であることが必要」とする通知を出したことを受けて、神奈川県内などの小中学校がコストの増加を理由にことしの夏休み中のプールの開放を取りやめる動きが出ています。
この通知は、おととし7月大阪・泉南市の小学校のプールで児童が溺れて死亡した事故を受けて、警察庁が去年、全国の警察を通じて自治体などに示しました。
この事故では、監視業務を請け負っていた会社が警備業の認定を受けていなかったうえ、必要な監視員を配置していなかったことから、通知では「監視業務を外部に委託する場合警備業の認定を受けた業者であることが必要」として、安全管理の徹底を呼びかけています。
各地の小中学校が夏休み中のプールを開放する際は、児童の保護者らが監視に当たるケースや、学校が外部に委託して行うケースなどがあり、外部に委託していた学校の中には、コストの負担や、業者が見つからないことなどを理由にプールの開放を中止するところが相次いでいることが分かりました。
このうち神奈川県では、外部に委託している自治体も多く、コストの負担などを理由にことしからプールの開放を中止する学校が増えています。
相模原市で開放する小学校が去年の64校から15校に、川崎市で73校から34校に減ったほか、横浜市で予定していた8つの中学校すべてで開放を取りやめました。
横浜市教育委員会学校支援・地域連携課の尾高総一郎課長は、「楽しみにしている子どもたちには申し訳ないが、費用が2倍から3倍になり、中止せざるをえない」と話しています。
一方で、関東地方の多くの小中学校では、教師や保護者らが監視を行っている学校が多く、大きな影響は出ていないということですが、東京では、担当表を対象に独自に救急研修を行っている自治体もあるということです。
専門家は、監視の担い手が誰であっても安全管理の専門的な資質を一層高める必要があると指摘しています。
NPO・日本プール安全振興協会の北條龍治理事長は、「プールの安全管理や監視は、ただ『見る』という安易なでものではなく、専門的な知識や技術がいると認識を改めてほしい。また、学校のプールの監視に当たる人には、子どもを対象にした人工呼吸や心臓マッサージを身につける教育機会も必要だ。警備業者がプール監視の専門性を高めることは重要だが、すべてを警備業者が担うわけではない。それぞれのプールの安全管理者が知識、技術、意識の面で均一のレベルを保たなければならない」と話しています。
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