WSJ 2013年 7月 11日 10:45 JST
スノーデン氏は裏切り者でなく内部告発者=世論調査
By ANDREW AYLWARD
米政府の個人情報監視活動を暴露した国家安全保障局(NSA)の元契約職員エドワード・スノーデン氏(30)について、有権者の半数以上は裏切り者ではなく内部告発者とみている。
米キニピアック大学が10日発表した世論調査では、スノーデン氏を内部告発者だと考える有権者が55%、裏切り者だとの見方が34%だった。内部告発者だとの見方は年齢、性別、所得、支持政党を問わず多かった。例外は黒人有権者で、裏切り者との考えが43%、内部告発者が42%と分かれた。
米国は引き続きスノーデン氏の送還を模索している。モスクワの空港のトランジットエリアにとどまる同氏は米国から、許可なく機密情報を開示し、政府の所有物を盗んだなどとして訴追されている。中南米には同氏受け入れを表明している国がいくつかある。
国家による治安対策が市民の自由を侵害し始めているかどうかを聞く質問もあった。オバマ大統領はNSAによるデータ収集が暴露されたことを受け、両者の両立は難しいと強調し、暴露された監視活動を国民の保護に必要な「控えめな侵害」と呼んでいる。
テロ対策は行き過ぎだとの回答は、45%対40%で不十分との回答を上回った。男性に限ると、54%が行き過ぎ、34%が不十分と答えている。女性では割合が逆転し、47%が不十分、36%が行き過ぎだと答えた。
今回の調査で、世論の急激な変動が鮮明になった。キニピアック大が2010年に実施した調査では、テロ対策は不十分との回答が63%、行き過ぎとの回答が25%だった。どの人口グループでも、行き過ぎとの回答は35%以下だった。
治安対策が行き過ぎだとの見方が最も増え、政府のテロ対策への支持が減ったのは男性と共和党支持者だ。10年の調査では共和党支持者の72%がテロ対策は不十分だと答えたのに対し、今回は不十分との回答が多かったものの、46%対41%の差にとどまった。
キニピアック大の調査機関でアシスタントディレクターを務めるピーター・ブラウン氏は「米国人のテロ対策の見方は複雑だ」と述べた。「テロの脅威を現実のものとしてとらえ、対策を施す価値があると考えている一方、自分たちのプライバシーが侵害されていると感じており、それについては全く納得していない」という。
今回の調査は、登録有権者2014人を対象に6月28~7月8に行われた。誤差の範囲はプラス・マイナス2.2ポイント。
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