天野祐吉さんの「朝日新聞」の名物コラム「CM天気図」
7月3日付けの「求むスポンサー」と題するコラムには、天野さんの時代に対する危機感がひしひしと伝わってくる。
(以下全文引用 ↓)
金だ金々 金々金だ
金だ金々 この世は金だ
金だ金だよ 誰が何と言おと
金だ金だよ 黄金万能
金だ力だ 力だ金だ
金だ金々 その金欲しや
欲しや欲しやの 顔色目色
見やれ血眼 くまたか眼色
一も二も金 三・四も金だ
金だ金々 金々金だ
金だ明けても 暮れても金だ
夜の夜中の 夢にも金だ
まだ延々と続くんだが、このへんでやめとく。
演歌師の添田啞蝉坊(あぜんぼう)さんが1925年ごろにつくった「金々節」だ。
亡くなった小沢昭一さんに教わってぼくもちゃんと歌えるんだが、新聞で歌っても仕方ないから、それもやめとく。
それにしても、なぜこの歌を再び長々と紹介するか。
ここはCMについて書く欄だろうと言われそうだが、実はこの歌はCMソングにならないかなと、前からひそかに思っているのだ。
先週の土曜日の朝日新聞に、橋本治さんも1ページ丸々使って書いていたが、いまこの国は景気さえよくなれば、憲法を変えようが原発を再稼働させようが「ええじゃないか、ええじゃないか」の空気にあふれている。
昔はこういう情けない空気を新聞やテレビは痛烈に批判したもんだが、いまはアベノミクスがどう
したこうしたと、金勘定のニュースが最優先みたいだ。
だったら、せめてどこかの企業が「金々節」をCMソングに採用してくれないかと思うのだが、だ
めかなあ。
それともいっそ、東電さんあたりが自己批判も含めて「金だ金々この世は金だ」とやってくれたら、日本も変わると思うけどなあ。 (コラムニスト)
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