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「橋下ブレーン」に高まる圧力 維新の退潮背景に 大阪府、情報公開条例改正案提出
2014.5.23 22:23
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長と幹事長の松井一郎大阪府知事が肝煎りで起用した府市の「特別顧問・特別参与」への圧力が高まっている。府は23日の府議会で特別顧問・参与の活動を原則公開することを義務づける情報公開条例改正案を提出。一方、市議会でも人数削減を求める陳情が採択された。特別顧問・参与には維新のブレーンを兼ねるメンバーも複数おり、維新の退潮ぶりが鮮明になる中、今後ますます風当たりが厳しくなりそうだ。
■自民案に反論
「(会議を全て公開にしたら)大阪府が信頼を失い、府政に混乱を招く」
14日の府議会委員会に参考人招致された特別顧問の上山信一慶応大教授は憤然とした表情を浮かべた。特別顧問・参与の活動の不透明性を指摘する自民党府議に、公務員には守秘義務があると反論したのだ。
府市大都市局によると、職員の立ち会いなしに東京都内で行われた特別顧問・参与の会議は平成24年4月~25年12月に23回あり、延べ57人に対し115万円の報酬が支払われている。
自民府議団は「会議が本当に行われているか不透明だ」と問題視。2月定例府議会に条例改正案を提出し、継続審議となっていた。そんな中での23日の提案は、維新が過半数割れしている情勢下で、自民側に譲歩し、議会の混乱を避ける狙いがあるとみられる。
ただ、自民案は全ての活動を原則事前に公表するとしているのに対し、府の案は公表する活動を限定しているため、自民は案を取り下げない考えだ。
■市議会「削減を」
一方、15日の市議会委員会では特別顧問・参与の人数削減と制度の見直しを求める陳情を維新を除く全会派の賛成多数で採択した。この採択に法的拘束力はないものの、賛成した市議の一人は「市長個人の政策ブレーンを委嘱するのは公平性に欠ける上、数も多すぎる」と指摘する。
橋下氏は知事時代の20年4月、二重行政解消など府政に専門的な立場から助言を行うために特別顧問・参与を起用。市にも広がった現在は、府市で特別顧問が30人、特別参与80人の計110人が活動している。
ちなみに、東京都は昨年度は顧問1人と参与4人がいたが、今年度はいない。
■自民のいやがらせ?
特別顧問・参与をめぐる論争はこれまでもあった。
自民などの他会派は、メンバーに維新の政策PR本を監修した上山氏や維新政治塾名誉塾長の堺屋太一内閣官房参与ら維新のブレーンが複数存在するため、政治的中立性の問題を指摘。
また、1日当たりの報酬が、他の審議会委員は9600円が上限なのに対し、特別顧問は5万3350円、特別参与は5万2380円と高額なこともたびたび追及していた。
維新の退潮と呼応するように、両議会で特別顧問・参与のあり方を見直す動きが活発化。ある維新府議は「自民党のいやがらせにすぎない」と不快感をあらわにしており、依然波乱の火種は残りそうだ。
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