2016年8月1日月曜日

25年ぶり低水準でも…「倒産」実は減らず 中小で続く休廃業 (日経新聞) ;  「ここまで倒産が減ったのは25年ぶりのことだ」。安倍晋三首相は6月1日の記者会見で胸を張った。・・・休廃業や解散といった形で15年に事業の継続を断念した企業は2万6699件。00年と比べると6割増え、倒産件数の3倍に達する。・・・


 景気の状況を映し出すとされる企業の倒産件数が歴史的な水準に減っている。アベノミクスの成果だという見方もあるが、数字を額面通り受け取るわけにはいかないようだ。厳しい状況に追い込まれた中小・零細企業の実質的な倒産は今も全国で広がっている。(大島有美子、八十島綾平)

 「ここまで倒産が減ったのは25年ぶりのことだ」。安倍晋三首相は6月1日の記者会見で胸を張った。確かに2015年の倒産は8812件(東京商工リサーチ調べ)と、1990年以来の水準に減少した。今年上半期も改善傾向が続き、中小企業を襲った淘汰の嵐はやみつつあるようにもみえる。しかし、この数字から浮かび上がるのは一つの断面にすぎない。

 (略)

 東京商工リサーチの集計では、休廃業や解散といった形で15年に事業の継続を断念した企業は2万6699件。00年と比べると6割増え、倒産件数の3倍に達する。後継者が見つからずに廃業する例もあるとはいえ、法的整理から私的整理などへ企業の末路は移り変わっているようにみえる。

 瀬戸際に追い込まれた多くの企業が法的整理を選ばないのはなぜか。私的整理は名前が公表されず、債権者を公平に扱う必要がないといった利点がある。さらに京都の弁護士は「裁判所への申立手数料や弁護士費用など、倒産するにも数百万円かかる。それさえ残っていない企業が増えている」と明かす。

 (略)

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