昨日(9月17日)の「朝日新聞」朝刊に「耕論」「ネットの「小沢人気」と民意」という記事があった。
先の民主党代表選挙での両候補の支持率が、マスコミ調査とネット調査では逆転していた現象について、主にネット側数値の信憑性に関する主張が、賛否両論併記で掲載されていた。
帰宅してから、ゆっくり読もうというほどでもなかった。
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「DAYS JAPAN」にも「なんでこんなに差がでるの!? 電話世論とネット世論」という題で斎藤美奈子さんという方が、コラムを寄せている。
(「DAYS JAPAN」に関してはコチラ)
この方のご指摘は、うまくマトを得たものだと思います。
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電話による調査は、あるサンプリング手法により電話番号を無作為に抽出して、9時~21時に電話をする。
代理人は回答できず、選ばれた人は回答拒否もできる。
回答率は約6割、最終的なサンプル数は1,000~2,000という。
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どれだけのサンプル数があれば民意を把握したと言えるのか、勉強したこともないので自信はありませんが、以前から1,000とか2,000では少なすぎないかと、素人ゆえにか、そう感じていました。
また、仮に「一億総中流」と云われたかつての平均化社会ではそのサンプル数でも合理的であったにしても、「格差社会」と云われ、階層分化が加速化している昨今では、どうなんでしょうか?
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選挙の出口調査は、非常に的中率は高いですが、私も何度か受けた経験があるくらいですから、選挙区内でのサンプリング率はかなり高いんではないでしょうか。
一投票所だけでも200~300は取っていると思います。
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毎日、帰宅時の夕暮れどき、多分、託児所から子供を引き取ったであろう女性(ときには男性も)が、ベビーカーを押しながら家路を急ぐ姿を見ます。
これから食事の支度をし、子供に食事を与え、風呂に入れ、寝かしつけて・・・。
こんなとき、電話調査が来ます。
さて、どう対応します?
(電話調査は、電話して不在時には何度かは再電話されるそうだ。従って、昼間に不在であれば、夜に電話がくることになる)
回答率6割というのは、こういう状況のケースもかなりあるのではないでしょうか。
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「家に固定電話がある」(斎藤さん)ことが、サンプリングされるための第一条件であるが、ケータイ社会の今日では、固定電話を持たない人って、たくさんおられるのではないでしょうか。
独りで住む単身者はまず、ケータイと固定の二つは持たないのでは・・・。
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そうこう考えると、この電話調査に回答できる人は、
①家に固定電話がある
②多くの場合、昼間に在宅して、調査に回答する時間的余裕がある、
こういう人たちではないだろうか、と斎藤さんは指摘している。
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そんな集計の結果が、「民意」か?
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サンプル数でも疑義があり、サンプリングする対象(集団)にも疑義がある脆弱な調査結果を、第一面トップに掲げて、更に世論形成に一役かう。
そんな自分の「立ち位置」を、マスコミご自身どうお考えか?
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それと、カン氏、
こんな調査結果に気をよくしていたら、足をすくわれますぞ。
リメンバー参議院選、これを忘れたら今度の衆議院選でアウトでしょう。
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本日の「日経朝刊」に中曽根大勲位が、
カン内閣は自民党的内閣になってしまった、民主党政権に対して昨年抱いた期待は崩れた、
と云っている。
マスコミの「民意」調査よりも、この政界の大長老の言葉のほうが余程民意とマッチしていることか・・・。
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