2016年12月25日日曜日

尾竹国観(1880-1945) 《油断》1909明治42 (東京国立近代美術館MOMATコレクション2016-12-08)

尾竹国観(1880-1945)
《油断》1909明治42
合戦は群像表現には恰好の題材です。
この作品が描くのは、敵方の奇襲の知らせを受けて陣中が騒然とする場面。
女たちをはべらせ酒宴に興じていた武士たちは、あわてて甲冑を身に付けたり、弓矢をとったりと大騒ぎです。
よく見ると、描かれた人物のうち3人が右方を指し、およそ3分の1の人々が視線を右に向けています。
それが構図の軸となって、バラバラになりそうな人々の動きを緊密につなぎとめているのです。
ちなみに、作者は史実にとらわれないよう、歴史上の人物を想定せずに描いたと述べています。






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