2016年12月19日月曜日

関東大震災の中国人虐殺(『朝日新聞』神奈川版2016-12-18神奈川の記憶49) 台湾に残る被害者の記録 中国から調査団 名前まで特定

関東大震災の中国人虐殺
(『朝日新聞』神奈川版2016-12-18神奈川の記憶)

台湾に残る被害者の記録
中国から調査団 名前まで特定

 (略)

 それらを解読し横浜開港資料館の伊藤泉美さんは横浜の犠牲者を「死亡78人、傷害17人、行方不明2人」と集計している。
県内ではほかに19人の死亡、1人の傷害が記録されている。

 開港以来60年余、当時の横浜の華僑人口は5721人。
うち震災で約1700人が死亡。
横浜港の一帯は壊滅的な被害を受けた。
貿易商や料理人などとして港近くに住んでいたのは広東省出身者が中心だった。

 ところが虐殺被害者は様相が違う。
港から離れた地域の居住者が多く、県内被害者123人のうち104人は浙江省出身だと伊藤さんは分析する。

 行商人として新たに日本に来るのが増えていたのが浙江省の人だった。
そのまま住み着き、安い労賃で働いていた。
ところが第1次大戦後の不況で、日本人労働者と争いになっていた。

 (略)

 米国のDictionary.comは「今年の言葉」にXenophobia(ゼノフォビア)を選んだ。
外国人や異文化への恐怖、憎しみを意味し、〈外国人嫌悪〉や〈対外恐怖〉などの訳語が当てられている。
世界各地で難民や移民をめぐる問題が噴出している。
その年の瀬に、私たちの街でかつてあった深刻な事態に思いを巡らすのも意味のないことではないだろう。
(渡辺延志)

『朝日新聞』神奈川版2016-12-18

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