2016年12月12日月曜日

円山応挙《七難七福図巻》重文(全3巻) 応挙36歳 出世作といえる絵巻

円山応挙《七難七福図巻》重文(全3巻)

衝撃的な作品。
応挙36歳。
三井寺円満院の祐常門主の依頼。
「何年かかっても良いから自らが見聞き体験し、目のあたりにしたものを描いて欲しい」と依頼され、3年かけて完成させる。
経典に説かれる七難七福をリアルに描くことで、仏神への信仰心と善行を促す目的。

根津美術館で開催中の『円山応挙 「写生」を超えて』で展示(前期・後期分割展示)されている。
東京 根津美術館で開催中の『円山応挙 「写生」を超えて』に行った 国宝《雪松図屏風》 重文《藤花図屏風》 《牡丹孔雀図》 2016-11-17

ここでは、
11月20日の日曜美術館で放映された画面で少しだけ追ってみる。
「ありのままこそ 応挙の極意」(日曜美術館2016/11/20メモ) 「ありのままこそ我人共よろし」


3巻は「福」と「難」(天災、人災)に分かれている

■福(下巻)
貴族の花見の宴と飲食
子供たちの舟遊び
祝宴準備の厨房
年貢納め
と続く。


■天災(獣による害もある)(上巻)
地震で逃げ迷う人々

洪水

そのあと、火災、暴風海難、雷、と続き、
獣による害として、鷲、狼、大蛇が続くという。

鷲による害は、鷲に子供を持って行かれる場面らしく、考えただけでもゾッとする。

■人災(刑罰を含む)(中巻)
盗賊




追い剥ぎ

このあと、残酷・残忍な場面が続くとのこと(画面はない)
根津美術館では後期展示に該当する部分。

以下、項目のみ
情死、水責、切腹、一家自刃、火炙り、獄門断首、磔刑、鋸挽、牛裂

項目だけでも十分、気分が悪くなってくるほど。
美術館のパンフレットにも
「とくに中巻の凄惨な表現には目を覆いたくなるが、・・・」とある。

以上、応挙の写生主義の一端を垣間見た。

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