2016年12月15日木曜日

ドイツ・ルネサンスの巨匠「クラーナハ展」 ~世界遺産で体感!500年の時空を超える“誘惑”とエロス~ BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」(2016-12-02)メモ 《聖カタリナの殉教》 《ザクセン公女マリア》 《ヴィーナス》 《泉のニンフ》 《正義の寓意》 《ヘラクルスとオンファレ》 《不釣合いなカップル》 《ホロフェルネスの首を持つユディト》 など

ドイツ・ルネサンスの巨匠「クラーナハ展」
~世界遺産で体感!500年の時空を超える“誘惑”とエロス~
BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」(2016-12-02)

(番組HPより)
16世紀ドイツ・ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハは、教科書に登場するマルティン・ルターの肖像画を描いた画家として知られている。
しかし、彼の真骨頂は独特の魅力を放つ女性像。アンバランスで官能的な肉体、冷たい眼差しを持つ彼女たちの微笑は、あのピカソをも魅了した。
クラーナハは、宮廷画家であり、宗教改革の功労者でもありながら、エロティシズムに満ちた女性像を描き続けた。

クラーナハは、デューラーと並び称されるドイツ・ルネサンスの画家。
デューラーはレオナルド・ダ・ヴィンチに、クラーナハはミケランジェロに模される。

クラーナハはクローナハの生まれ。
本名はルカス・マーラー。ルカスは「画家の守護聖人」、マーラーは「画家」の意。
20代後半頃、ウィーンで頭角を現し、
ザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公に宮廷画家として雇われる。
後に宗教改革を起こすマルティン・ルターはウィッテンベルク大学の教授であった。
クラーナハはのちに、市長となり、薬局・印刷所の経営者となる。

《ザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公》

《聖カタリナの殉教》
特徴は、
ゴシック様式(=ゴート族の様式、アルプス以北)
細密描写

■様式化される肖像画
《ザクセン公女マリア》
クラーナハの女性像にある顔の特徴


大工房で絵画の大量生産を行う
パターン化(弟子でも描けるように)
類型化
全身肖像画

ルカス・クラーナハ(子)の作品
《ザクセン選帝侯アウグスト》
《アンナ・フォン・デーネマルク》

■時を超えるエロティシズム
《ヴィーナス》
薄衣を纏った、ヴィーナスとは名ばかりのエロティシズム
大人気
秘匿された領域(寝室など)に置かれた
→ 過激な物が出てくる

《ヴィーナスとキューピッド》
若い頃はこういう(イタリア風の)ヴィーナスも書いていたが、
(多分)人気がなかった。売れなかった。

《泉のニンフ》
一応、狩猟の神ということで弓と矢を描いているが、
想を得たと思われるジョルジョーネ《眠れるヴィーナス》と比較してもはるかにエロティシズムに溢れている。
頭の下、枕にしているのは脱いだ衣服
左上には、わざとらしく
「われは聖なる泉のニンフ」 「わが眠りを妨げることなかれ」との文字が。

ジョルジョーネ《眠れるヴィーナス》

《正義の寓意》
剣は力を、
天秤は公平を表す。
薄衣を纏ったヌードである理由は?
 → 断然人気があったから

■誘惑する絵
《ヘラクルスとオンファレ》
英雄ヘラクレスが女装して糸つむぎを持っている。
リュティアの女王オンファレはヘラクレスを見ないで、こちら(鑑賞者)に流し目を送っている。
風刺でもあるが、こうなってみたいという男の欲求も表しているのではないか。


《不釣合いなカップル》

《ホロフェルネスの首を持つユディト》
ユディト書(旧約聖書外典の一つ)による
首を討つ表情ではないユディトと、どこか恍惚としたホロフェルネス
後に出現するファムファタール(運命の女)の先取りのようだ

■宗教改革の「顔」
《マルティン・ルターとカタリナ・フォン・ボラ》
プロテスタントは、聖職者の結婚を認めた
クラーナハは、プロテスタントの思想の宣伝を支援した
ルターは、聖書をドイツ語に反訳した

新約聖書(9月聖書)
マルティン・ルター翻訳
ルカス・クラーナハおよびその工房の木版画

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