2012年11月4日日曜日

昭和17年(1942)10月 第17軍司令部(百武中将)ガダルカナル島上陸。 サボ島沖海戦

東京 江戸城(皇居)東御苑 2012-11-01
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昭和17年(1942)
10月9日
・午後8時40分、第17軍司令部(司令官百武晴吉中将、小沼高級参謀、辻・杉田・越次・平岡・林参謀)、ラバウルよりガダルカナル島タサファロング上陸。
10日、戦闘指令所開設。
同日、第38師団(佐野忠義中将)伊藤武夫少将指揮第328連隊主力、ガダルカナル島上陸。

8日ラバウル出発時、残留する新任の参謀長宮崎少将は、小沼高級参謀に「攻撃期日の十月二十日には決して拘泥するな。攻撃準備の周到を期せ」と注意。
宮崎少将は、ラバウル赴任途中、10月5日、トラックで「大和」の山本連合艦隊司令長官を表敬訪問した、宇垣参謀長から、海軍側第一義の希望として、総攻撃開始を十月二十日より遅延させないよう強く求められたが、この日には20日総攻撃は間に合わぬと予感したかのよう。

10日、ラバウルに残った第17軍宮崎参謀長へ、百武中将は、「川口支隊は餓死に瀕しつつあり、人員愉送を中止し、糧秣及び飛行場制圧用弾薬のみ急送すべし」と命じる。
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10月10日
・蒋介石、米英が対中不平等条約を廃棄するというニュースを全国に宣布
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10月10日
・第1軍、中条山脈、南部太行山脈の掃蕩戦を実施
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10月10日
・駆逐鑑3隻、陸兵293、弾薬、糧食をガダルカナル島タサファロングに揚陸。
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10月10日
・陸軍省官制改正(兵器局廃止など)。
陸軍兵器行政本部令・陸軍造兵廠令・陸軍兵器補給廠令各公布。陸軍兵器本部・技術研究所・航空技術研究所設立
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10月10日
・東京府食糧営団設立
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10月10日
・米英、対中国不平等条約廃棄発表
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10月11日
サボ島沖海戦=(米)エスペランス岬沖海戦
ガダルカナル砲撃に向かう第6戦隊(五藤存知少将)とノーマン・スコット少将指揮米艦隊、
日本旗艦「青葉」含む駆逐艦3・重巡1、米駆逐艦1沈没。五藤司令官戦死。
この間に大砲6門揚陸。

11日午前6時、水上母艦「日進」「千歳」・駆逐艦6で編成された輸送部隊、ガダルカナル島へ送り込んだ第2師団の重火器輸送のためショートランド島発。
午後12時、五藤存知少将の第6戦隊(重巡「青葉」「衣笠」「古鷹」駆逐艦「吹雪」「初雪」)は輸送部隊支援のため同島を出撃、ヘンダーソン基地への艦砲射撃も命じられる。
一方米軍は、日本軍の増援阻止の為にノーマン・スコット少将の巡洋艦部隊(重巡2・軽巡2・駆逐艦5)を派遣。
午後4時過ぎ、ガダルカナル島南東レンネル島付近で待機していたスコット隊は北上開始、午後7時半、水偵を発進させこれを発見、単縦陣で日本艦隊攻撃への進路を取る。
午後9時25分、軽巡「ヘレナ」のレーダーが日本艦隊を捕捉、旗艦「サンフランシスコ」に通報し全艦ガダルカナル島へ急行。
第6戦隊はガダルカナル島砲撃のためスコールをついて30ノットで進撃、サボ島を確認。この時、T字戦法をとる米艦船3を発見するが、味方輸送船と誤認、米軍も前衛艦隊と誤認するが通信の混乱から9時46分射撃を開始。初弾が「青葉」艦橋に命中し五藤少将以下幕僚が死傷。「青葉」は味方討ちと思い、「われ青葉、われ青葉」と信号。続く「古鷹」にも魚雷発射管に命中し大火災を発生、「吹雪」も被弾炎上。駆逐艦「初雪」「衣笠」共に勇戦、
午後10時20分、日米両軍共に離脱終了。
サボ島沖海戦は、レーダーを装備したスコット隊が終始主導権を握り、米軍は初弾から命中弾を出すなどこれまでの戦闘と異なり、日本軍のお家芸「夜戦」も以降通用しなくなる。
尚、日本の輸送部隊はガダルカナル島到着、兵員物資揚陸に成功。

○詳細
計画:
11日、「日進」「千歳」・駆逐艦4隻が重兵器、軍需品、兵員を輸送してタサアァロングに揚陸、支援隊として第6戦隊(3巡洋艦「青葉」「古鷹」「衣笠」)がガ島飛行場を砲撃する。

11日午前6時、「日進」(人員130名他)「千歳」(人員150名他)駆逐艦4隻「朝雲」「白雪」「叢雲」「綾波」(陸兵410名他)は、駆逐艦2隻「秋月」「夏雲」に護衛されショートランド出撃、タサファロングに向う。
正午、支援隊(飛行場砲撃を目的とする「青葉」以下の第6戦隊)がショートランド出撃。

輸送隊:
午前8時20分、輸送隊はショ-トランド南東30浬で大型機に発見されるが、午前10時、味方戦闘機が直掩配備につく。
午後8時10分、タサファロング到着、揚陸開始。「日進」隊の揚陸終了前に、「青葉」以下の支援隊と敵水上部隊との戦闘が始まるが、「日進」「千歳」は午後10時50分揚陸終了、出港、輸送駆逐艦も午後11時5分揚陸作業を終り、11時10分戦闘海面に向う。

支援隊:
支援隊はサボ島が見える迄の約2時間、猛烈なスコールの中を走り、午後9時半、スコールを抜けると、サボ島は左3度10浬にあった。
午後9時43分、旗艦「青葉」は左舷15度約1粁に、艦影3個を発見、時間と場所からみて、「日進」などの輸送隊かも知れぬと考えられ、「青葉」は味方識別信号を送りながら直進。約700mに近づいたとき、「青葉」見張員が敵と識別。しかし、指揮官は見張員の報告を疑問視し、左10度味方識別10秒と下令し、同時に「総員戦闘配置ニ就ケ」と、同航戦の意図をもって「面舵」(右折)を下令。その直後、「青葉」は強烈な照明を浴び、敵水上部隊の集中砲火を蒙る。
初弾は不発弾ながら、「青葉」艦橋正面に命中、五藤司令官以下幹部多数が死傷(司令官は翌朝没)。通信装置が破壊され、艦内外の連絡は不能となり、主砲射撃指揮所方位盤も破壊、2、3番砲も命中弾により射撃不能に陥る。

米艦隊は、軽巡「ポイズ」「へレナ」両艦のレーダーで日本艦隊の近接を探知し、T字戦法をとり、然艦で単縦陣の日本軍の先頭艦に斉射を浴びせた。

「青葉」は右反転し、最大戦速とするが、回頭中も集中砲火を見舞われ、火災を起こし、殆ど戦闘力を失い、僅かに1番砲塔だけが使用に耐えた。「青葉」は煙幕を展張し、離脱に努める。「青葉」主砲射弾数は7発。

2番艦「古鷹」は、「青葉」後方1500mを走航していたが、「青葉」の変針により、敵の砲火が集中。
米艦隊は重巡「サンフランシスコ」「ソルト・レイク・シティ」、軽巡「ポイズ」「ヘレナ」、駆逐艦「ファーレンホルト」「プキャナン」「ラフェィ」「ダンカン」「マッカーラ」の計9隻で、「古鷹」は「青葉」の回頭により、上記9艦の発砲を認め、急ぎ「青葉」方向に変針。
応戦開始は午後9時48分。応戦早々に被弾が多く、2分後、発射用意をした魚雷発射管が被弾し大火災。
午後10時14分頃、敵から離隔し、砲戦が熄(や)むまでに、大被害を蒙りつつ、敵3番艦に大損害を与えるが、10時40分頃航行不能に陥る。
駆逐艦「初雪」が救助に来た時には傾斜が急で、艦を横付け出来ず、12日午前零時28分、サボ島310度22浬の地点に沈没。

3番艦「衣笠」は砲火を認めると態勢不利と判断し取舵反転。前2艦が面舵(右折)で、「衣笠」は左折のため、敵砲火を浴びることなく同航戦の態勢をとり、午後9時52分~10時15分、有効な砲戦魚雷戦を実施、敵大巡1隻撃沈、1隻大破の戦果を報じるが、戦後の調査によれば、米側には重巡の沈没も大破もなく、駆逐艦1隻沈没のみ。
護衛駆逐艦「吹雪」は、「青葉」の右前方に位置して、「青葉」の右回頭に随って反転し、同航中に被弾。午後10時13分大火災となり沈没。

「古鷹」救援に向った駆逐艦「白雲」「叢雲」は引き揚げが遅れ、12日午前6時20分、敵機11機の攻撃を受け、8時25分、サボ島北西約140浬のニュージョージア島沖で敵艦爆20機に捕捉され、「叢雲」は1弾の命中で航行不能。
午後2時、3回目の空襲を受け大火災。
僚艦「白雲」は生存者を救出し一旦引き揚げ、日没後、「朝雲」と共に反転、曳航不能の「叢雲」を魚雷で処分。
それより先、第9駆逐隊「朝雲」「夏雲」は、「叢雲」救助中の12時50分と午後1時45五分に、敵艦爆11に襲われ、「夏雲」は至近弾の為に浸水甚だしく、「朝雲」が乗員を収容した後、午後2時27分沈没。

スコッ卜部隊の損害は、3番艦「衣笠」による重巡「ソート・レーク・シティー」大破・軽巡「ボイス」小破。他に駆逐艦「ダンカン」沈没、「ファーレンボルト」中破、この二隻は、反転の際に列外に出てしまい、「ダンカン」は敵味方双方の弾丸を受け、「ファーレソボルト」も味方の2弾を受け艦側に大穴をあける。

宇垣連合艦隊参謀長の日誌。
「・・・当時の戦況を仄聞するに無用心の限り、人を見たら泥棒と思へと同じく夜間に於て物を見たら敵と恩への考なく一、二番艦集中砲弾を蒙るに至れるもの、殆んど衣笠一艦の戦闘と云ふべし。」(宇垣「戦藻録」)
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10月11日
・ガダルカナル島の現地参謀、合議してジャングル迂回攻撃案に一致。
第2師団長は、第17軍司令部の意図を体し工兵第2連隊に通路啓開を命じ、12日より着手。

川口支隊の失敗に鑑み、兵力火力を十分にして正面から力攻する筈の作戦計画であったが、重機・火器が不備のため。しかし、ルンガ飛行場南側の防備は強化されている。

集結地のコカンボナ付近から東南の高地帯(909、990、986各高地)、アウステン山を経てルンガ川河畔に到る通路をジャングル内に啓開。
作業当初は第17軍杉田参謀が作業隊の先頭に立って督励、14日には全長の半ばを啓開したという。14日、辻参謀は、大本営随軍部第1部長宛て、「密林障碍ノ度ハ予想以上ニ軽易ナリ」と報告。
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10月11日
・米陸軍第182歩兵連隊、ガダルカナル上陸
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10月11日
・鉄道省が鉄道・バスなどのダイヤ表示に24時間制を採用
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10月11日
・政府、南方占領地での邦字新聞発行を決定
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10月11日
・鉄道省は、ダイヤ24時間制を採用
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