2012年11月12日月曜日

放射能汚染 魚のセシウム濃度、なぜ下がらず? 国、汚染源・経路を調査へ

魚のセシウム濃度、なぜ下がらず?
「朝日新聞」11月9日

国、汚染源・経路を調査へ

 東京電力福島弟一原発事故から1年を過ぎても一部の魚から高濃度の放射性セシウムが検出されていることから、国の総合科学技術会議は、汚染源や汚染経路の解明を目指した緊急調査を実施する方針を決めた。

 事故後、水産庁などが魚を約2万検体調べたところ、セシウムの濃度は低下傾向にあった。
だが、海産魚では今年8月、原発から北に約20キロ離れた沖合でとれたアイナメ2匹から、事故後の魚介類調査では最高値の1キロたり2万5800ベクレルが検出された(食品基準は100ベクレル)。

 川魚でも、3月に飯館村の新田川のヤマメから1万8700ベクレルが検出された。
ヤマメやイワナはその後もセシウムの濃度が下がらず、福島県や周辺各地で出荷制限が続いている。

 緊急調査では、汚染された魚から耳石を取り出して分析し、汚時期を明らかにする技術を確立するほか、原発周辺の海底土の汚染を計測する。

 また、1年で一生を終えるアユは今春以降は濃度が劇的に下がって基準超えの魚がほぼないことから、「魚は世代が代われば汚染度が低下する」という仮説も検証するという。

 予算は1億9千万円で、調査の実務は農林水産省などが担当する。 (石塚広志)

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