2012年11月7日水曜日

放射能汚染 静岡県御殿場市と小山町の野生キノコ出荷停止 風評被害を懸念

静岡新聞
野生キノコ出荷停止、風評被害を懸念 御殿場、小山(2012/11/ 7 07:41)
 御殿場市と小山町の富士山麓で自生していた野生キノコから基準値を上回る放射性セシウムが検出され、県内で初めて国の出荷停止指示が出た問題で、地元の農業関係者には6日、出荷実態の無い野生キノコへの出荷停止に戸惑いの声が広がった。関係者は、東京電力福島第1原発事故から1年7カ月後に起きた被害に驚きつつ、他の農産物への風評被害を懸念している。
 御殿場市などによると、富士山麓の野生キノコは大半が自家消費され、一部の地元直売所にごく少量が直接持ち込まれる以外、出荷や流通は確認できないという。秋には関東地方の愛好家などが採取に訪れるが、国立公園に指定された区域でのキノコ採取は原則的に禁じられ、東富士演習場の敷地には入会権を持つごく一部の住民しか立ち入りできないという事情もある。収穫シーズンが終了した現在は採取できない状況にある。
 行政関係者は出荷停止のイメージが曲解され、栽培キノコや他の農作物に風評被害が及ぶことを懸念する。御殿場市の内田治夫農林課長は「人の手の入らない山の、高濃度になりやすいキノコと、他の農作物を同一視されたら困る」と困惑し、「県のモニタリング検査や農業団体独自の検査でも、他の農産物から基準値を超える放射性物質が検出されたことはない」と強調する。市内の直売所では「栽培品」を強調する自衛策も始まった。
 県林業振興課によると、野生キノコの出荷停止指示は今秋増加し、東北や関東などを中心に約90自治体で出されている。担当者は「放射性物質が高濃度になるメカニズムに未解明な部分が多く、対策については今後検討する」としている。



0 件のコメント: