読売新聞
大間原発、過去の津波9地点調査へ
大間原発を建設中の電源開発は9日、大間町など下北半島の計9地点で、過去の津波の有無や規模を推定する堆積物調査を今月から始めると表明した。同日開かれた大間町議会と佐井村議会の大間原発対策特別委員会で明らかにした。一方、原発敷地内に指摘される活断層については存在を否定した。
同社が、自主的に堆積物調査を行うのは初めてで、来春までに終える方針。調査地点は決まっていないが、海岸近くの湿地帯や川の河口付近などを検討している。
同社は過去の地震や津波の影響を調べるため昨年10月から自主的に原発敷地近くの海岸沿いの地形の測量などを行ってきたが、堆積物調査も実施して、データの充実を図る。
大間原発を巡っては専門家らが〈1〉原発から南西に40~50キロ離れた下北半島沖にある長さ約14キロの活断層〈2〉大間崎北東に延びる長さ約40キロの活断層〈3〉敷地内の活断層――を指摘しているが、同社の浦島彰人・大間現地本部大間原子力建設所長は両町村の特別委で「いずれも(原発の)安全に問題ないものと考える」と明言した。
しかし、町村議からは「会社と、断層の活動性を指摘をする専門家の意見が食い違っており、住民は不安に思っている」「過去にも事業者が活断層ではないとしていたものが活断層だと判明したこともある。主張の信ぴょう性はあるのか」などの厳しい声が上がった。
大間町の特別委では町議が原発事故の際の避難路整備への協力を要請。電源開発側は「私どもができる範囲のことはぜひ側面支援も含めてやっていきたい」と応じた。
(2012年11月10日 読売新聞)
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