「お金と安全どちらが大切か」 新潟知事が猛批判
TBS系(JNN) 7月5日(金)17時31分配信
経営の起死回生のために一刻も早く新潟県の柏崎刈羽原発を再稼働させたい東京電力は、2日に安全性の審査を申請すると発表。かたや地元・新潟県知事は、その意思を頭越しに表明されたと反発する事態となっています。「再稼働」に焦る東電と「地元軽視だ」と反発する知事。5日、両者が直接会談に臨みました。
フラッシュを浴びる2人。口火を切ったのは泉田知事です。
「お金と安全と、どちらが大切ですか」(新潟県 泉田裕彦知事)
終始険しい表情で詰め寄る泉田知事。トップ会談は紛糾しました。
「(安全審査申請の準備を)急いでいますか、急いでいませんか」(新潟県 泉田裕彦知事)
「時間を頂ければ、一生懸命説明したい」(東京電力 広瀬直己社長)
「急いでいるのか、急いでないのかと聞いてるんです、東電として」(新潟県 泉田裕彦知事)
「ご説明はぜひ、できればやらせていただきたい」(東京電力 広瀬直己社長)
「(安全審査の)申請は早くやりたいと思っていますか」(新潟県 泉田裕彦知事)
「地元の理解を頂ければ早くやりたい」(東京電力 広瀬直己社長)
「なぜ早くやりたいのか」(新潟県 泉田裕彦知事)
「準備ができているからです」(東京電力 広瀬直己社長)
急きょセットされたトップ会談の伏線は、東電が2日に突然開いた記者会見でした。
「(6、7号機については)考えられる最大限の安全対策を取り込んできている」(東京電力 広瀬直己社長 2日)
柏崎刈羽原発の6、7号機で行った安全対策は、原子力規制委員会が来週から施行する新たな規制基準に適合していると主張。再稼働に向けた安全審査を申請したいという考えを表明したのです。福島の事故で経営難に陥っている東京電力。今年度の黒字化に向けて柏崎刈羽の再稼働は欠かせないとみて、会社存続のために勝負に出た格好です。
「準備が整っているまま待ち続けるわけにはいかない。主体的に動かないと」(東京電力幹部)
この、いわば頭越しの意思表明に収まらないのは、新潟県です。
「何度も申し上げるが、“うそをつかない”“約束を守る”がスタートライン」(新潟県 泉田裕彦知事)
Q.自治体の了解を得る前に申請することはあり得るか?
「どういう形で自治体に了解を頂けるのか、これから詰めないといけない。条件付きの了解っていうのもあるのかもしれない」(東京電力 広瀬直己社長)
東電は8日にも安全審査を申請できないか可能性を探りましたが、泉田知事の反発を受けて、ひとまず断念しています。
一方、北海道、関西、四国、九州の4電力会社は、合わせて5原発10基の再稼働に向けた安全審査を申請する意向を明らかにしました。4社の最大の関心事は、どの原発が最初に審査の対象に上るか。1基の原発が稼働するかしないかで、ひと月100億円規模の収支に関わるとされるだけに、電力各社にとって死活問題とも言えます。
福島第一原発の事故から2年余り。事故原因の全容すらいまだ究明されていない中で、再稼働に向けたプロセスが動き出そうとしています。(05日18:10)
最終更新:7月6日(土)0時50分
廣瀬・東京電力社長と会談を持ちました。安全確保を目的に締結した協定を東電は守る気があるのか、安全より利益を優先する体質は改まっていないのではないか、疑念を払うことができませんでした。 pic.twitter.com/RiOa32j8To
— 泉田裕彦 (@IzumidaHirohiko) July 5, 2013
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