東京新聞
再稼働申請 地震・津波想定、事故前と同じ
2013年7月9日 朝刊
電力四社の原発再稼働の申請内容を見ると、地震や津波の想定が、原発の新しい規制基準ができる前と同じケースがほとんどだった。
申請が出た十基のうち、想定する最大級の津波を従来より高く見直したのは四国電力の伊方原発(愛媛県)のみ。北海道電力泊原発(北海道)は「精緻な海底のデータを入手し解析した結果」(北海道電の担当者)として、二・五メートルも高さを下げた。想定する地震の強さも、十基とも従来と同じ。四社とも問題ないとしている。
特に大飯原発3、4号機については、関電は九月までの運転継続をめぐる議論の際、規制委の指摘を受け入れ、周辺の三つの活断層の連動を考慮したのに、今回の申請では二つの連動に戻した。担当者は「三連動しないという、われわれの調査結果をまず審議してほしい」と話した。
津波の高さでも、規制委は海底の地滑りによる従来より高い値を想定すべきだと指摘したが、関電は従来のままにとどめ申請した。
再稼働申請に対する審査は、運転継続の際より厳しくなると予想される。電力各社の地震や津波の想定は新基準前とほぼ変わらず、その姿勢を含め、規制委がどう判断するのかが注目される。
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