中日新聞
新たに大量の高濃度汚染水確認 福島第1原発
2013年8月1日 11時27分
東京電力は1日、福島第1原発2号機と3号機から海側に延びるトレンチ(地下のトンネル)に接続する2つの立て坑(ピット)で、大量の高濃度汚染水がたまっているのを確認したと発表した。濃度にはばらつきがあるが、最大で放射性セシウムは1リットル当たり計9億5000万ベクレル、放射性ストロンチウムなどは5億2000万ベクレルを検出。海近くの立て坑で大量の汚染水の存在が確認され、あらためて事態の深刻さが浮かんだ。
今回、汚染水が確認されたのは、いずれも直径7メートルほどの巨大な立て坑。タービン建屋に冷却用の海水を引き込むため地下二十数メートルまで掘られた配管を収容するトレンチに接続している。耐震性は非常に高いとされるが、海からは数十メートルしか離れていない。
東電によると、2号機側の立て坑では、7月31日に採取した水からセシウムが計3億4000万~9億5000万ベクレル、ストロンチウムなどが計3億3000万~5億2000万ベクレル検出された。深くなるほど濃くなる傾向があった。
3号機側では、セシウムが計3200万~3900万ベクレル、ストロンチウムなどが計3200万~3400万ベクレル検出され、どの深さでも非常に塩分が濃く、深さによる放射性物質の濃度のばらつきはあまりないのが特徴。
どちらの汚染水も、セシウム134と137の濃度比から、2年前に発生した汚染水とみられる。
事故発生当初の2011年4月に2号機、5月には3号機の取水口近くで大量の高濃度汚染水が海に漏れた。2号機側の水のセシウムの濃度は計36億ベクレルで、それに比べると、今回確認された汚染水は大幅に薄い。
しかし、今年7月26日に100メートルほど北側の浅い電源ケーブルトレンチにたまっていた水からは計23億5000万ベクレルのセシウムが検出されるなど、海側のトレンチでは高濃度汚染水の存在が次々と確認されている。トレンチは地下で複雑につながっており、トレンチの継ぎ目は耐震性が必ずしも高くはない。浅いトレンチの下に敷かれた砕石層が、汚染水の通り道となる危険性も指摘されている。
(中日新聞)
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