2012年6月23日土曜日

東洋大渡辺満久教授、大飯原発敷地内の破砕帯の総点検を主張

福井新聞
大飯原発の破砕帯、総点検を 渡辺教授(東洋大)が講演 
(2012年6月21日午前7時04分)

 関西電力大飯原発の敷地内を通る破砕帯が活断層である可能性を指摘している渡辺満久東洋大教授(変動地形学)が20日、福井市の福井県生活学習館で講演した。同原発周辺の破砕帯を総点検する必要があると指摘。原子炉直下に活断層が見つかった場合は「土地のずれによる被害が避けられない。建設地としての根本的な欠陥であり、廃炉や移転の決断をすべきだ」と述べた。

 市民団体のサヨナラ原発福井ネットワークが主催し、県内を中心に約40人が訪れた。

 渡辺教授が着目するのは、大飯2号機と3号機の間の地下を通る「F6」と呼ばれる破砕帯。岩盤と上部の地層が同様にずれた形跡があり、破砕面に粘土が付着している点から「典型的な活断層の構造だ」とし、国に地質の調査を求めた。調査に必要な期間については「数日で十分やれる」とも話した。

 原子炉直下も含めた他の破砕帯に関しても早急に確認する必要があると指摘。土地のずれにより、耐震性とは無関係に被害が生じる恐れがあるとし「建屋には相当大きなダメージがあり、配管などが無事ですまないことが推定できる」とした。

 政府の再稼働の決定に対しては「最高レベルで安全性を判断したとは思えない」と強調。これまでの国の審査体制について「委員会にいるのは活断層の専門外である地震・地質研究者のみで、変動地形学の研究者が加わってこなかった」と問題点を挙げた。

0 件のコメント: