2016年4月27日水曜日

日曜美術館「幻の光 救いの闇 カラヴァッジョ 世界初公開の傑作」(4月17日)より

法悦のマグダラのマリア
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4月17日放映の日曜美術館「幻の光 救いの闇 カラヴァッジョ 世界初公開の傑作」で取り扱われた作品を纏めた。

なお、カラヴァッジョについては先に展示会に行っている。
上野 国立西洋美術館 カラヴァッジョ展に行ってきた 2016-04-15

1590年代中頃、北イタリアで育ち、ミラノで修行したカラヴァッジョがローマにやって来る。
当時のローマはカトリック教会の建設ラッシュ、成功を夢見る芸術家たちが各地から集まって来た。

▼「女占い師」1597年
写実のうまい画家として頭角を現してきたた頃の作品。
手相を見るふりをして指輪を盗んでいる女占い師。

▼「バッカス」1597ー98年頃
フランチェスコ・デル・モンテ枢機卿に見出され、絵に没頭できる環境を提供してもらった頃の作品。
バッカスはローマの神話に登場する酒の神。
熟した果物を前に怪しい表情を浮かべる青年は カラヴァッジョ自身とも言われている。

▼「聖ぺテロの磔刑」1601年
サンタ・マルア・デル・ポポロ聖堂

▼「聖パウロの回心」1601年
(同上)

画家としての成功と裏腹にカラヴァッジョの生活は乱れてゆく。
暴力沙汰をいくつも起こし、挙句の果てに決闘で殺人を起こしてしまい、
ローマを抜け出したカラヴァッジョに死刑が宣告される。

最初にコロンナ家に匿われる。
その頃の作品。
▼「法悦のマグダラのマリア」1606年
キリストの死と復活を見届けたと言われる聖女。
娼婦であったという伝承から罪深い女性とされながら、魅力的で怪しげな美女とされてきた。
カラヴァッジョは祈りの果てに神と繋がった一瞬を闇に溶けていくように画いている。

▼「悔悛するマグダラのマリア」1595年頃
カラヴァッジョにはもう一枚のマグダラのマリアの絵がある。
こちは、ローマに来た直後に画かれた作品。

▼「エマオの晩餐」1606年


▼放映されたテレビ画面より




マグダラのマリアを画いた後、ナポリ、マルタ、シチリアに逃亡を続ける。
その頃の作品

▼「キリストの笞打ち」1607年

▼「洗礼者ヨハネの斬首」1608年(サン・ジョヴァンニ大聖堂)
恩赦を得るため騎士になろうとして辿りついたマルタ島で作品。

▼「聖ウルスラの殉教」1609年(パラッツォ・セヴァロス・スティリアーノ美術館)

▼「ラザロの復活」1609年

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