2017年5月10日水曜日

ちばてつや氏語る共謀罪の怖さ「人間の内心取り締まる」 (日刊ゲンダイ): しばしば私は、日本が戦争に突き進んでいった状況を「大きな渦」に例えます。最近の日本には、先のむちゃな戦争に突入していった時と、とてもよく似た、なんとも不穏な空気を感じるのです。「大きな渦」のヘリから、まさに巻き込まれ始める、そのギリギリのところ。...


 (略)

 しばしば私は、日本が戦争に突き進んでいった状況を「大きな渦」に例えます。最近の日本には、先のむちゃな戦争に突入していった時と、とてもよく似た、なんとも不穏な空気を感じるのです。「大きな渦」のヘリから、まさに巻き込まれ始める、そのギリギリのところ。そこは一見、とてもゆったりと穏やかなので、その先に深くて黒いブラックホールがあるなんてとても思えないのですが、そのわかりづらさも含めて、今はとても危険な位置にいるのです。

 その「大きな渦」に入ってしまう「過ち」を正すことができるのは、どんな意見でも言えるし、さまざまな表現を許容し、多様性を大切にする、文化的で健全で穏やかな社会です。政府には、どこかの近い国のように、何も言えない、何も知らされない厳しい規律をもって統率された国よりも、多少の清濁を併せのむ、余裕のある大らかな国を目指して欲しいと、心から思います。

(聞き手=本紙・高月太樹)

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