2012年5月6日日曜日

原発ゼロの日(2012-05-06) 自治体首長のコメント 茨城県知事・東海村長 佐賀県玄海村長 北海道泊村長 愛知県知事 名古屋市長 愛媛県知事 広島県知事 新潟県知事 薩摩川内市長 島根県知事 群馬県川場村長 福井県知事・おおい町長 石巻市長


5月5日深夜、国内の全原発が停止した。
各首長のコメントは・・・。

茨城新聞2012年5月6日(日)
原発50基が全停止 知事・東海村長に聞く 


国内の全原発から、「原子の火」が消える日を迎えた。
史上最悪レベルの福島第1原発事故を経験し、日本の原発、エネルギー政策はどこへ向かうのか。
わが国で「原子の火」が最初にともった本県の橋本昌知事、村上達也東海村長にインタビューした。


■橋本昌知事 各基ごとに方針を
「福島第1原発の大事故があった後だから、再稼働には安全の確約と国民の理解が必要。国民の多くが納得しておらず、全原発停止はやむを得ない」と評した。政府は4月、再稼働の可否を判断する新安全基準を決定したが、「決定プロセスが表に見えず、いきなり結論を示された感じ。データや過程、理由をオープンにしないと国民は納得しない」と、政府の拙速な政策決定に苦言を呈した。


3月の定例県議会で「全ての原発を再稼働あるいは廃炉とするのは、どちらも現実的でない。安全が確約でき、住民の納得が得られるものに限って再稼働を認めるべきで、それ以外は廃止していかざるを得ない」と述べ、自身のスタンスを「減原発」と表明した。


この1年間のエネルギーをめぐる議論について「原発と再生可能エネルギーの両極端に集中し過ぎている。今の急場をどうしのぎ、中長期にどういう方向を目指すのか、トータルな議論が必要」と提言。「(東海第2を含む)国内の原発50基それぞれについて、新安全基準に基づき再稼働を要請するのか廃炉にするのか、政府の考えはこうだと早く示せばいい。もやもやっとしたまま、何も決められずにいる現状が一番の問題」と指摘した。


■村上達也東海村長 国民の手で全廃炉
「(稼働中の)原発ゼロは脱原発に向けた決定的な節目だが、一方で国民が『ゼロになったから大丈夫』となるのが怖い」と指摘。「政府の大飯原発再稼働に向けたやり方は姑息(こそく)。全国50基の原発を全体的にどのように減らし、安全を担保していくのかを示さないまま、ストレステストが終わった順に再稼働を認めていくやり方では結局、全てを認めることにつながりかねない」と警鐘を鳴らす。


福島第1原発事故やその後の政府の対応などを受け、原発立地自治体の首長としては異例の脱原発を表明。「地震大国の日本に54基もの原発があるのは正気の沙汰ではない」などの発言を繰り返し、4月4日には国に東海第2原発の廃炉を求める意見書を提出した。


「昨年6月に海江田万里経済産業相(当時)が停止中の原発の再稼働要請を行ったと聞き、この国は原発を持つ資格はないと腹を決めた」と明かす。「福島には目をつぶって、ひたすら原発の再稼働を急ぐとは、本当にあきれた情けない国」と国の対応を非難する。


原発ゼロの維持に向け、「この夏をノー原発で過ごす決意が必要」と呼び掛ける。「国民の手で全原発の廃止、廃炉を勝ち取っていかなければならない」と訴えた。


読売新聞
原発ゼロ、玄海町長「夏乗り切れるか」

 北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が5日夜、定期検査のため停止し、国内の稼働原発が42年ぶりにゼロになった。原発全6基が止まったままとなっている九州電力管内の原発立地自治体の首長らは、経済への打撃を理由に再稼働の必要性を強調した。


 玄海原発がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長「原発ゼロで本当にこの夏を乗り切ることができるのか。エネルギーは人々の暮らし、企業活動に不可欠で、再生可能エネルギーで対応できない以上、安全性の確保を前提に原発の再稼働は必要だ」と話した。


 昨年3月の福島第一原発事故の前に定期検査に入っていた玄海2、3号機は、同事故後、全国の原発再稼働の一番手と目されていた。しかし政府の対応が二転三転し、昨年7月、再稼働問題は暗礁に乗り上げた。同12月25日までに残る2基も停止した。
(2012年5月6日  読売新聞)

朝日新聞
泊村長「早く再稼働を」 予算の7割を原発に依存

 北海道電力泊原発3号機が立地する北海道泊村の牧野浩臣村長は5日夕、村役場で報道各社の取材に応じ、3号機の停止について「大変残念だ」と述べた。定期検査で止まっている1、2号機の再稼働については、安全性が確保されるのが前提とした上で「早くしてもらいたい」と訴えた。


 国内の稼働原発がゼロになる日を迎えたことには「電力の改革期、変換期にあたるのかなと思う」と話した。ただ、「将来、原発はなくしていくべきか」と問われると、「私はそうは考えていない」ときっぱりと述べた。


 村の一般会計予算は、国が原発周辺の自治体に配る電源三法交付金と、原発関連の固定資産税で7割を占める。今後、こうした「原発マネー」が先細りすると見られることに関しては「収入、財力に見合った事業を展開していかなければならない」と話した。

《5月7日に追記》
毎日JP
大村愛知知事:「中長期的に脱原発」 再稼働に理解も
毎日新聞 2012年05月07日 14時06分(最終更新 05月07日 16時01分)

 愛知県の大村秀章知事は7日の定例記者会見で、国内の原発が全基停止したことについて「福島第1原発の事故で安全性の前提は崩れた。中長期的に原発依存からの脱却は当然の帰結で、原発ゼロもあり得る」と将来的な全基廃止の可能性に言及した。一方、「一足飛びに全ての原発を廃止して、国内の産業が持つのかは冷静に考えなければならない」とも述べ、政府が目指す原発再稼働の動きにも一定の理解を示した。


 名古屋市の河村たかし市長は7日の幹部会で「原発リスクのない地域は産業政策の面からメリットが大きい」と、改めて「脱原発」の姿勢を強調した。
【駒木智一、三木幸治】

《5月8日追記》
MSN産経ニュース
伊方再稼働「白紙」変わらず 中村知事が講演 愛媛
2012.5.8 02:02
■大規模停電の影響検証
 四国電力伊方原発の再稼働問題で今夏の電力不足が不安視される中、愛媛県の中村時広知事が7日、松山市内で講演し、改めて「再稼働判断は白紙」と述べた。また脱原発に向けては、原発に替わる新エネルギーや蓄電技術などの開発が不可欠と指摘し、冷静な観点からのエネルギー議論が必要との認識を示した。
 講演は愛媛経済同友会が開催。電力需給をめぐり、経済界でもさまざまな意見が出ていることから、中村知事による講演を求めた。
 中村知事は福島第1原発と伊方原発の地理的な違いなどを解説し、「福島に押し寄せた津波が伊方を襲うことはない」と呼びかけた。一方で揺れについては万全の対策が必要であるとして、県から四電に要請した追加対応策を紹介。また、大規模停電を想定したシミュレーションを県でも進めていることも明らかにした。
 「脱原発」をめぐっては、「原発は理想論でいえばない方がいい」としながらも、現状の太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーでは、原発の代替エネルギーにはなりえないと指摘。その上で、伊方原発の再稼働については、現状では「白紙」であることも強調し、理解を求めた。


 愛媛経済同友会の鈴木欽次郎代表幹事は「個人的には再稼働に賛成だが、いつまでも続くものでもない。代替エネルギーの開発を率先してやってほしい」と話した

中国新聞 '12/5/9
原発再稼働の同意手続き否定

広島県の湯崎英彦知事は8日の記者会見で、運転を止めている中国電力島根原発(松江市鹿島町)と四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働の条件に、広島県の同意を加えることに否定的な考えを示した
 半径50キロ圏内に庄原市の一部が含まれる島根原発と、瀬戸内海を挟んで県境から約60キロ離れた伊方原発の再稼働をめぐっては、住民団体が「広島県の同意も条件に加えるべきだ」と求めている。これに対し湯崎知事は「距離を考えると広島県の同意を得る手続きを設けることは難しい」と強調した。
 「仮に広島県の同意が必要になれば県にも責任が生じる。原子力の専門家を集めて組織をつくるという話になるが、今はそういう状況にない」とも指摘。原発の安全対策は国が担保すべき問題だと繰り返した。


《5月9日追記》
MSNニュース
原発再稼働前提なら「会わない」新潟知事、東電を牽制
2012.5.9 17:25
新潟県の泉田裕彦知事は9日の定例会見で、東京電力の次期社長に内定した広瀬直己常務が8日の会見で発言した内容について「柏崎刈羽原発の再稼働が前提なら発言を撤回してもらう必要がある」と述べた。面会については「撤回してもらわないと会わない」と牽制(けんせい)した。
 泉田知事はこれまで再稼働について「福島原発事故の検証が先」との姿勢を維持。広瀬氏は8日、「新潟県からちょうだいしている事故の検証をしっかりやっていく。正面から取り組んでご理解をいただいて再稼働につなげたい」と述べていた。
 知事は広瀬氏の発言を正確に確認してから対応するとした上で「再稼働ありきで話を進めるなら、原発事故を起こした当事者という自覚が足りない。社内でのけじめもつけていない。原発を運転する資格が本当にあるのか」と批判した。

NHK
新潟県知事“まず事故の責任を”
5月9日 17時27分
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の来年度以降の運転再開などを盛り込んだ総合特別事業計画が、9日にも政府に認定される見通しであることについて、新潟県の泉田知事「社内で誰も福島第一原発事故の責任を取っていないのに、運転再開はありえない」と述べ、柏崎刈羽原発の運転再開を前提とする東京電力の姿勢を批判しました。
東京電力は、政府が出資する原子力損害賠償支援機構と共にまとめた総合特別事業計画で、新潟県にある柏崎刈羽原発を来年度以降に運転再開することなどを盛り込み、9日にも政府に認定される見通しです。
これについて、新潟県の泉田知事は、9日の定例の会見で「事業計画に柏崎刈羽原発の運転再開を盛り込まないと融資を得られないので、やむをえなく盛り込んだのか、経済優先で盛り込んだのかで、対応は変わる」と述べました。
そのうえで、泉田知事は「経済優先で盛り込んだのであれば、福島第一原発の事故が人災であるという認識が東京電力にあるのかと言いたい。社内で誰も事故の責任を取っていないのに、運転再開はありえない」と述べ、柏崎刈羽原発の運転再開を前提とする東京電力の姿勢を批判しました。

毎日JP
川内原発:再稼働、国説明会が必要 安全連絡協で薩摩川内市長 /鹿児島
毎日新聞 2012年05月09日 地方版
川内原発が立地する薩摩川内市の原子力安全対策連絡協議会(会長・岩切秀雄市長)が8日、同市内で開かれ、岩切市長は同原発の再稼働について国による市民への説明会が必要との考えを改めて示した。
 協議会は、市の地区住民代表や関係機関で構成し、定例的に開かれる。会では3月に市が策定した原子力災害対策の暫定計画や、九電による対策などが説明された。
 また、同原発再稼働の判断について、岩切市長は「国の説明がない限り先に進まないと思っている。市で(説明会を)主催することは今のところ考えていない」と、国主催による説明会が前提になることを強調した。

日本海新聞
原発再稼働は規制庁発足が前提 島根知事が会見
2012年05月09日
島根県の溝口善兵衛知事は8日の定例記者会見で、原発の再稼働について原子力規制庁の発足が前提になるとの考えを示した。
 原子力規制庁は経済産業省原子力安全・保安院に代わる新たな規制機関として4月に発足する予定だったが、設置法案をめぐる与野党の調整が難航し、大幅にずれ込んでいる。
 溝口知事は「規制庁ができないと、今の事態が動かない状況になっている。他に道はないように感じる」と述べた。
 また5日に国内の原発50基が全て停止したことについて「東京電力福島第1原発事故に対する政府の対応や新しい安全対策が国民の理解を得るに至っていないため、全停止する状況になった」と指摘した。

東京新聞
村も被害者 命・自然守る 「脱原発首長会議」関清・川場村長に聞く 
2012年5月9日
全国の市区町村長が先月末、結成した「脱原発をめざす首長会議」に、本県からは唯一、川場村の関清村長(77)が名を連ねた。関村長の思いを聞いた。 (山岸隆)


 -結成に参加した理由は。
 「川場村は今年二月、東京農大と清水建設との三者で森林や再生可能エネルギーを活用した事業モデルを構築する協定を結んだ。バイオマスや太陽光・風力・小規模水力発電、地中熱などを調査する。この事業の開始を前に先月上旬、(静岡県湖西市の)三上元市長から参加を求める文書が届いた。村の取り組みを実現させるため、いろいろな勉強をしようと、入会を決めた」


 -原発をどう考えるか。
 「わが国の産業の活性化や電力供給、効率性の良さという観点からその存在はやむを得ない面もあるが、今回のような事故が起きれば大変な事態になる。人の命や自然環境を守る方が効率性より重要。万が一の事故を想定すれば原発は可能な限り削減するべきだ」


 -国の原子力政策のあるべき姿とは。
 「東京電力福島第一原発事故で、原発の安全神話が壊れたわけだから、安全性の高い自然エネルギーのウエートを増やした方がよい。原発を急に今すべて廃止するのは無理な話で、私もそうは考えていないが、原発ゼロは将来的な理想だと思う。政府と東電は、長期ビジョンの中に自然エネルギーにシフトする政策を盛り込み、国民の理解を得るよう努力する必要がある」


 -福井県おおい町の関西電力大飯原発三、四号機の再稼働問題に対する国の対応は。
 「近隣市町村の理解が得られるまでは再稼働させるべきではない。住民に丁寧な説明を行うことを求めたい」


 -川場村は国の費用負担で放射性物質を除染する「汚染状況重点調査地域」に指定されているが。
 「川場村は空間放射線量の数値が県内で最高レベルの地域。基幹産業の農業や観光の風評被害は深刻で、村も原発事故の被害者だ。これが首長会議に参加した理由の一つでもある。除染は本年度から五カ年計画で行う。保育園や小中学校を優先し、今年の夏休み中に終了させたい」
 脱原発をめざす首長会議 東京電力福島第一原発事故を機に、全国64市区町村長が集まり、先月28日に結成。国のエネルギー基本計画に「原発ゼロ」を盛り込むよう求めることなどを決めた。今後、勉強会を重ね政策提言をしていく。世話人は静岡県湖西市の三上元市長、福島県南相馬市の桜井勝延市長、茨城県東海村の村上達也村長。

《5月10日追記》
福井新聞
福井知事、再稼働へ首相に注文 「原子力規制庁発足へ指揮を」
(2012年5月10日午後7時27分)
西川・福井県知事は10日、松下忠洋内閣府副大臣と県庁で会談。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をはじめとする原子力行政に関し「国、政府としての強い体制、姿勢、決意のもとに事に当たっていただきたい」述べ、野田佳彦首相が先頭に立って対応するよう要請した。原子力規制庁の早期発足も求め、それまでは首相の指揮により経済産業省原子力安全・保安院と原子力安全委員会をしっかりと機能させるよう注文した。(伊豆倉知)


 関西圏の首長らが再稼働に慎重な態度を崩さない中、理解を求めるため政府を挙げての努力を求めるとともに、慎重論の背景にある原子力規制庁の発足遅れについてもしっかり対応するようくぎを刺した形だ。
 規制庁は4月1日の予定だった発足が大幅にずれ込む見通しで、原子力安全委が存続しているが、事実上の休眠状態だ。西川知事は「極めて問題の多い状況」と憂慮し、厳格な安全規制体制を早期に確立する必要があるとした。
 その上で、原発の安全確保や再稼働問題に関して、現行の規制組織を指揮して取り組むべき野田首相の姿が「残念ながら見えない」と批判。保安院、原子力安全委の実効ある活動と規制庁の早期設置を求め「首相が先頭に立って行動することが国民の安全につながる」と訴えた。
 また、免震事務棟など中長期対策が未実施であるため大飯3、4号機の再稼働に反対する声がある点を念頭に「安全対策を明瞭(めいりょう)に整理して、短期の問題と中期の問題を明らかにした説明をしなければ十分な理解は得られない」と述べた。
 さらに「(原子力政策が)あいまいな状態で国富が何兆円も流出している。企業の流出も起こっている」と強調。電力需給の問題にとどまらず、原発の意義や再稼働の必要性について政府が説明し、理解を得るべきだとした
 松下副大臣は、規制庁発足に全力を挙げ、それまでは保安院、原子力安全委がしっかり必要な機能を果たすよう首相から昨日指示があったと説明。「原子力は引き続き重要な電源」とあらためて表明し、再稼働に理解を求めた。

福井新聞
町長、大飯再稼働に国の覚悟見えず 関西圏の理解進まず対応批判
(2012年5月10日午前7時05分)
関西電力大飯原発3、4号機の再稼働についておおい町の時岡忍町長は9日、関西圏の理解が進んでいない現状に対し「再稼働したいという国の覚悟が見えてこない」と政府の対応を批判。原発の安全性などを明確に説明し、理解を得るという国の覚悟や姿勢が見えない限り、再稼働に同意できない考えを示した。
 町役場で記者団に答えた。関西圏の理解が進まない中、時岡町長は町として判断することに関し「(政府の方針が急変して再稼働が頓挫した)第二の(佐賀県)玄海町にはなりたくない。慎重に判断したい」と述べた。国の覚悟については「安全性とエネルギー政策をきちっと示すこと」と指摘した。
 おおい町会は再稼働の是非に関する意見集約のための協議に入っている。時岡町長は、町会の意見を受けて自身が判断する際には「国の一元的責任について、政府がどう考えているのか確認したい」と話し、文書と口頭で政府の姿勢を問う方針を明らかにした。

日テレNEWS24
女川原発の再稼働に石巻市長は慎重
(宮城県)
石巻市の亀山市長は女川原発の再稼働について、福島原発事故が収束していない段階で、稼働を考えるわけにはいかないと話し、慎重な姿勢を示した。女川原発は来年度中の完了を目指して、防潮堤のかさ上げなど緊急対策工事を進めている。
[ 5/10 18:57 ミヤギテレビ]





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