先に、高齢者の「健康格差」を憂う
「男性低所得者の死亡率は高所得者の3倍! 一体改革で懸念される「健康格差社会」の到来」(「DIAMOND ONLINE」) (コチラ)
を転載させて戴いた。
この記事によると、
・・・70~74歳の前期高齢者の窓口負担の引き上げ・・・。
病院や診療所で支払う医療費の自己負担割合は年齢に応じて異なり、小学校入学前の子どもは2割、小学校入学から70歳未満の人は3割だ。しかし、おもな収入が老齢年金になる高齢者は相対的に所得が低いため、歴史的に見ても低く抑えられており、現在は70歳以降の人は1割となっている(ただし、現役並み所得者は3割)。
実は、2006年度の医療制度改革では、70~74歳の人の窓口負担を2008年4月から2割に引き上げることが決められていた。しかし、2007年の参院選で自公政権が敗北したことで実施が見送られ、年間2000億円の予算措置をとることで今でも1割に据え置かれたままとなっている。
2012年度はかろうじてこの予算措置が継続されたが、経済界を中心に「法律で決まったことなのだから、70~74歳の人の窓口負担は速やかに引き上げるべきだ」という声が高まっている。小宮山洋子厚生労働相も、2012年度に引き上げられなかったことは「残念」として、「来年度は必ずやらなければならない」といった発言をしている。
とある。
その「経済界の意見」の代表格みたいなのを見つけた。
「朝日新聞」5月22日付け「経済気象台」
(見出し)
ない袖は振れぬ
(記事)
「収入の3割以上が社会保険料」という日が遠からず来るかもしれない。
急速な高齢化に伴い、年金、医療、介護などの社会保障費が急増し、厚労省の試算によれば、12年度101兆円の社会保障費が、25年度には146兆円に膨らむという。
財源をどこに求めるか。
保険料、税金の投入、受益者負担の3者しかない。
社会保険料は40~64歳の会社員の場合、すでに収入の26%を超えており、限界に近づきつつある。
税金については、消費増税法案が可決されても、増額分を賄うまでにはいたらない。
残るは受益者の負担だ。
特例で70~74歳の医療費負担が1割になっているが、これをまず速やかに2割に戻すべきだ。
医療保険料率は年々上がっており、全国健康保険協会によると、ついに年収の10%の大台に乗った。加入する中小企業の経営者からは悲鳴の声が上がっている。
65歳以上の医療費が総医療費の半分以上を占めているという異常さ。
無理な延命のために莫大な医療費を使っていないか。
過剰な検査が行われていないか。
風邪程度で医者にかかっていないか。
年をとれば、人間一つや二つ不具合の所があって当然だ。
作家の曽野綾子氏の「この3年間健康診断を受けていない」という小文を目にした。
ある年齢になれば、どんな病にかかろうと天命だから、ジタバタしないという深さと英知。
65歳を超えた筆者には示唆に富む言葉だ。
ない袖は振れない。
政府は、現行制度の維持が無理であることを素直に認め、歳入庁の創設、個人納税者番号を導入すべきだ。
税と保険料を公平に徴収するのが第一歩だ。
財政破綻の前に。
(提琴)
◆この欄は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。
筆者は、ためにする官僚どもが作った社会保障費が101兆円から146兆円に膨らむという数値に危機感をもって、たった2,000億円の窓口負担の2割化を主張する。
しかも、金額が伴う具体的「改善」項目はこれのみである。
(*このままゆけばこれだけ悪くなるとか、こうすればこんなに良くなる、とかの官僚の数字は信用できない)
(*このままゆけばこれだけ悪くなるとか、こうすればこんなに良くなる、とかの官僚の数字は信用できない)
税金に関してはたった一行のみ。
それだけでもう、「ない袖」と結論づけている?
GDPが10%以上もダウンしている訳でもないし、大企業がバタバタ倒産している訳でもない。
発想が貧困、と言うよりもケチすぎないか?
これは現代版「姥捨て論」である。
「成長」のためには若者たちを低賃金でヘトヘトになるまでこき使い、
「成長」の足かせになるものは切り捨てる、
そんな人たちの発想である。
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