2012年5月23日水曜日

「北海道、福島、島根の3断層、警戒必要な長さ20km以上か」(「中国新聞」)


中国新聞 '12/5/23
島根などの活断層、警戒必要な長さ20キロ以上か
 これまであまり注意されなかった全国の小規模な活断層(長さ15キロ以下)を詳細に調べ直した結果、北海道や福島、島根の3断層が、政府が警戒の目安の一つとしている長さ20キロを超える可能性があることが22日、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの分析で分かった。


 活断層は長いほど地震の規模が大きくなる傾向がある。産総研の吾妻崇主任研究員は「短いとみられていた活断層は研究が進んでおらず、さらに詳しい調査が必要」としている。


 3断層を含め全国で計47断層が従来の評価に比べ、平均で約1・6倍長いとみられることも判明した。


 三つの断層のうち、北海道の東問寒別(ひがしといかんべつ)断層は近隣の断層と合わせて、計17・7キロから約23キロへ。
東京電力福島第1原発から南約50キロにある湯ノ岳断層と井戸沢断層は一つの断層帯にまとめることができ、計約19キロから約24キロに“延伸”。
島根県の大森―三子山断層も14キロから約36キロになる可能性が出てきた。


 吾妻氏らは、小規模で他の活断層から5キロ以上離れた場所にある98の活断層を対象に、精密な空中写真や航空機からのレーザー測量のデータを使い、長さを再検討した。従来のデータではわずかな段差や河川の横ずれなどが見落とされていた可能性があるという。
 従来より長かったとみられる47断層は、いずれもほかの活断層からは孤立しているが、長さが延びて別の断層と5キロ以内まで近づくと連動が懸念される。今回の調査では、少なくとも1例あることが分かった。

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