2012年6月6日水曜日

我孫子市の焼却灰の線量が高いとして処理業者から受け入れを拒否される

東京新聞
焼却灰線量高い→搬入拒否 我孫子市、ごみ収集に支障
2012年6月6日 10時12分
 千葉県我孫子市は五日、清掃工場「市クリーンセンター」(同市中峠(なかびょう))から発生するごみ焼却灰に関し、処理業者から放射性物質問題を理由に受け入れを拒否され、工場内に灰や収集した可燃ごみが大量にたまっていることを明らかにした。灰の放射性セシウムは国の基準(一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル)以下だが、処理業者が独自の基準で受け入れを中止した。市は受け入れ先が確保できない場合、一カ月程度で家庭ごみの収集に支障が出る可能性があるとしている。 (横山大輔)


 市によると五月十八日、灰の八割の処理を委託していた埼玉県のリサイクル業者から「表面線量が毎時一・五マイクロシーベルトと高い」と今後の受け入れを拒否された。業者からは五月に入り、設備点検の名目で受け入れ量を引き下げられていた。灰に含まれるセシウムは、五月時点で一キログラム当たり三〇八〇ベクレル国の基準を下回っている
 行き場のない灰は、四日時点で五百トンに。工場内の貯蔵庫に収まらず、敷地内に急きょ、コンテナ八台を並べて保管している。さらに数十台を手配するとともに、使われていない建物を仮保管に利用しようと対応に追われている。
 別の受け入れ業者に処理量の増加を打診したが断られ、ごみ処理自体の民間委託も検討したが頓挫。現状では主力の業者が「線量が毎時〇・四マイクロシーベルトに下がれば再開」というほか、以前から関係のある茨城県や長野県の業者と交渉している。
 焼却のペースを落として灰の発生を抑えているが、保管余裕はほとんどない。工場の担当者は「最悪の場合、一カ月もたない」と収集への影響を懸念している。
 我孫子市は福島第一原発事故後も、国の基準を超える処分不能の灰は発生していなかった。煙から採集されセシウムの濃度が高い「飛灰」と、燃えがらからの比較的濃度が低い「主灰」を混合し、セシウム濃度は下がっていたからだ。だが、震災から約一年三カ月を経て、柏市など周辺地域と同様、焼却灰問題が深刻化した
 我孫子市の担当者は、国の基準を下回る状況で受け入れ拒否を受けたことに「国の基準は何なのか」と困惑する。星野順一郎市長は「処理業者の独自基準にはとてもじゃないが対応できない」と述べ、基準の統一と徹底を求めている。
(東京新聞)

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1Kgあたり8,000ベクレルという国の基準そのものが高すぎるということもある。

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