2017年4月9日日曜日

とはいえ、お花見があってこその桜である。(勝木俊雄) (鷲田清一『朝日新聞』2017-04-05折々のことば)

とはいえ、お花見があってこその桜である。
勝木俊雄

桜の名所案内ではなく、桜の文化論でもなく、<生き物>としての桜の研究と保全に尽くしてきた樹木学者の著書「桜」から。
染井吉野は寿命が短い、剪定してはならないといった俗信を一つ一つ正しつつ、自生するのではない栽培品種は特に、育てる人間の理解と手入れなしには生き存(ながら)えるのも難しいと説く。
見る者としてはただ、散り際の、その潔すぎるところがちと怖い。

(鷲田清一『朝日新聞』2017-04-05折々のことば)


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