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水素爆発「聞かれたら否定」=「国民騒がせる」東電会長-情報開示、消極浮き彫り
東京電力福島第1原発事故で、東電の勝俣恒久会長(当時、以下同)が3号機が水素爆発する可能性を指摘されながら、「国民を騒がせるのがいいかどうか。社長会見で聞かれたら否定する」と発言していたことが9日、東電のテレビ会議の映像で分かった。混乱を理由に情報開示を回避する発言は他の幹部にも見られ、改めて東電の消極姿勢が浮き彫りになった。
映像によると、昨年3月13日夜、武黒一郎フェローから本社の勝俣会長に電話があった。勝俣会長は3号機原子炉の爆発を防ぐため、格納容器の蒸気を外部に放出する「ベント」について楽観的な見通しを語った。
その後、武黒フェローが水素爆発の懸念を伝えたとみられるやりとりがあり、勝俣会長は「水素の問題?それは確率的には非常に少ないと思うよ」などと発言。「国民を騒がせるのがいいかどうかの判断だけど。社長会見で聞かれたらそれは否定するよ」と述べた。3号機原子炉建屋は翌14日午前、水素爆発した。
一方、計画停電の対応を協議していた藤本孝副社長は14日未明、枝野幸男官房長官らから、実施を先送りするよう要請されたと社内で説明。予定していた同日午前の停電は中止することになった。
しかし話が記者会見に及ぶと、藤本副社長は「今のままだったら、やるとかえって混乱する」と強調。「社長室で、広報するのはやめようということにしたんだよ」と言い切った。(2012/08/09-18:17)
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