NHKニュース
阪神・淡路大震災 がれき撤去でがんに
8月24日 5時13分
阪神・淡路大震災の際、がれきの撤去作業をした兵庫県の男性がアスベスト特有のがんで死亡し、国から労災の認定を受けていたことが分かりました。
男性が作業をしたのは2か月間だけで、専門家は、東日本大震災でがれきの撤去に関わっている短期のボランティアなども十分注意してほしいと話しています。
労災を認定されたのは、兵庫県宝塚市の男性でアスベスト特有のがん「中皮腫」を発症し、去年、65歳で死亡しました。
男性は、17年前の阪神・淡路大震災の直後、2か月間だけアルバイトでがれきの撤去作業をしていて、その際吸い込んだアスベストが原因で中皮腫になったと労災を申請していました。
男性は、震災での作業のほかにはアスベストにさらされる仕事をしたり、アスベストを扱う工場の近くに住んだりしたことがなく、ことし6月、厚生労働省の検討会で労災の認定が決まりました。
専門家は、中皮腫の潜伏期間が通常40年前後であることを考えると、今後、同様の被害が増えると指摘しています。
また、男性が2か月間という短期間の作業で中皮腫になっていることから、東日本大震災の被災地でも対策の強化が必要だとしています。
アスベスト問題に詳しい、ひょうご労働安全衛生センターの西山和宏事務局長は「東日本大震災では、津波の被害でアスベストを含む建材があちこちに散在している。アスベストは少しでも吸ったら危険なんだという認識で、専用のマスクをするなどして活動してほしい」と話しています。
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