NEWSポストセブン
サムスン 長年の仇敵もいまや日本企業にとっては運命共同体
2013.07.01 16:00
日本の家電メーカーを世界市場から駆逐し、覇者となった韓国のサムスングループの株が急落、スマートフォンに傾注してきたその事業形態の危うさが指摘されている。日本のメーカー関係者からも「そら見たことか」などという声も上がっている。
しかし、サムスンと日本企業は、巷間いわれるような対立関係にはない。今年3月に発表されたサムスンとシャープの提携。経営再建中のシャープは104億円の融資の代わりにサムスンに液晶テレビ用パネルを供給することで合意した。
「遂にシャープはサムスンの軍門に下ったか──といった論調で解説されていましたが、少し位相が異なります。サムスンはシャープの液晶パネルが欲しいわけではなく、本当の狙いはコピー機に代表される複写機事業です。シャープの同事業は隠れた優良事業です。世界的にデフレ傾向の続くマーケットではいくらテレビやスマホのシェアをとったからといって成果はたかがしれている。
それよりも企業を顧客とした、『BtoB』事業に活路を見出そうとしています。サムスンが欲しいのは確実に利益が出て安定した事業──その事情をシャープもわかっているから、それを交渉材料にサムスンからよりよい融資を引き出そうとしているんです」(大手紙経済部記者)
長年の仇敵は日本企業にとって、いまや“運命共同体”となりつつある。
※週刊ポスト2013年7月12日号
サムスン株急落で「ざまぁ」の声出るも「日本経済が困るよ」
2013.07.02 16:00
日本の家電メーカーをグローバルマーケットから駆逐し、覇者としてのし上がった韓国のサムスングループの株が急落した。実は世界的にスマートフォン需要は右肩下がりになっている。そんなスマホに傾注してきたその事業形態の危うさが指摘されている。
没落する日本と躍進する韓国──こうした構図が長らく続いてきたせいもあって、ネット上には「やっぱりこうなったか」「頑張れ! 日本企業」といった日本人の声が溢れている。サムスンの躍進によって携帯事業から撤退することになった日本メーカーの社員もいう。
「サムスンにはホントに苦汁を舐めさせられたからね。単なる業績云々の話だけではなく、多くの技術者がうちを去ってサムスンに流れていったことが日本に残った技術者や社員たちの心に傷となって残っている。正直、『それみたことか』と思った人間は多いはずです」
円安ドル高のアベノミクスのバックアップを享受する日本メーカーにとってはライバル企業の躓きをもって、反転攻勢といきたいところだ。だが、喜んでばかりはいられない。サムスン関係者が明かした。
「皆さん、実態をわかっているんですかねぇ。スマホを始め、サムスン製品の部品の多くに日本製が採用されているんですよ。液晶パネル、スピーカー、携帯のバイブ機能用モーター……うちが傾けば困るのは日本経済ですよ」
韓国経済に詳しい経済評論家の三橋貴明氏は、「結局、サムスンは世界中から部品を集めて組み立てているだけ。特に独自の技術を何も持たない」と語る。サムスンは部品や材料を自社で全て賄っているのではなく、台湾や中国、そして日本の企業に外注し、それを組み立てることで製品を完成させていたのだ。
※週刊ポスト2013年7月12日号
livedoorNEWS
サムスンに引き抜かれた人材を日本企業の幹部「裏切り者だ」
NEWSポストセブン2013年07月04日16時00分
日本の家電メーカーを世界市場から駆逐し、マーケットに君臨してきた韓国のサムスングループの株が急落、スマートフォンに傾注してきた企業戦略の危うさが指摘されている。
日本企業でリストラの嵐が吹き荒れた2000年代以降、サムスンは家電市場に攻勢をかけるにあたって、多くの日本人を引き抜いたのは周知の通りだ。
慣れない異国で心を磨り減らした彼らは、日本企業に戻ってくることも模索しているというが──サムスンをはじめとする中韓の企業に多くの人材を引き抜かれた某大手メーカー企業の関係者は語った。
「うちの企業の幹部連中は頭が固いから、『サムスンに行ったような日本人は裏切り者だ』なんてことを平気でいう。基本的には“出戻り”が許されない。サムスンで鍛えられた技術者が再び日本に戻って、日本企業の反転攻勢を支えるといったことはありえない」
一方、サムスン凋落に胆を冷やす意外な人々もいる。日本の大手メガバンク関係者は語った。
「三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の三大メガバンクの韓国企業に向けた貸し出しは1兆円を超えています。グローバルに展開する韓国企業の資金需要は旺盛で、脆弱な韓国金融界に変わって日本の銀行が融資を増やしているのが現状です」
韓国企業を代表するサムスンの急ブレーキで韓国経済が傾けば、これらの融資が不良債権化するリスクが出てくるというのだ。サムスン滅びてニホンは栄えず。韓国経済の崩壊は対岸の火事ではすまない。
※週刊ポスト2013年7月12日号
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