「朝日俳壇」8月14日より
原発が風上にある夏祭 (福井県池田町)下向 良子
戦争と原発合せ語る夏 (横浜市)荒川 澄
放射能まみれでひかる蛍かな (流山市)尾形 ゆきお
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「朝日歌壇」8月14日より
わが影を直下に見つつ測りゆく借用の放射線量測定器 (埼玉県)大久保知代子
音もなく放射能降る公園の夏の真昼に蝉さえ鳴かず (生駒市)宮田 修
原爆を再び許さぬ誓いたて原発禍中に原爆忌来る (三沢市)遠藤 知夫
色もなく汚染しずかにひろがりぬわら食(は)む牛にも肉食む人にも (名古屋市)諏訪兼位
「逃げる先どこにもねべ」と原発の村人語る下北漁港 (三沢市)遠藤 知夫
放射能まだ来ぬ我家のベランダに茄子も胡瓜も花つけ明日待つ (平塚市)熊沢 雅晴
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「朝日新聞」8月16日「大震災を詠む」より
福島の農は哀(かな)しも水田を守るべくして向日葵(ひまわり)を蒔(ま)く
(横須賀市)高橋俊彦
いくつもの同心円の中心で日夜をすごす原発労働者 (福岡市)有田 裕子
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「毎日歌壇」8月14日
崩(く)え落ちし燃料棒は水底になほ荒ぶりて熱を吐くとふ (東京)小泉 豊信
英語教室今日でおしまひと子らの言ふ原発が先生追ひ出したんだとよ
(郡山市)橋本英之
地震多きこの島国に原発をてんこ盛りしてきた肝っ玉 (大船渡市)尾羽智加子
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