先日引用したソフトバンクの孫社長の対談(コチラ)の中で、
「そういえば、子どものころ大人気だった鉄腕アトムのエネルギーは原子力で、妹の名はウラン。
日本人の大半はそれを変に思わなかった。」
という箇所があります。
そう、(一般市民の)誰もが信じて疑わなかった「原子力の平和利用(科学の無限の有効性)」、
それに、所得倍増とかいう「右肩上がりの日本」が、その頃には、ペアであったかな。
さて、アトムの歌には二つあった。
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空を超えて ラララ 星の彼方
ゆくぞ アトム ジェットの限り
心やさし ラララ 科学の子
十万馬力だ 鉄腕アトム 十万馬力だ 鉄腕アトム
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というのと、
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僕は無敵だ 鉄腕アトム
よい子のために 戦うぞ
勝ったつもりか 負けはしないぞ
さあ来い 悪者 やって来い
ジェット推進十万馬力
僕は鉄腕アトム 七つの偉力を持っている
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というもの。
アニメ版と実写版の違いだったか。
いずれにしても、直線的で、科学(原子力)に対して、何の迷いも疑いもない。
原子力を原動力として、正義のために戦う、或いは困っている人を助けるアトムではある。
驚いたことに、最初の方(つまりアニメ版)は「二十億光年の孤独」で高名な谷川俊太郎さんの作詞だ。
(「二十億光年の孤独」は私の高校時代の教科書に採用されていたせいか、いまだに谷川俊太郎といえば「二十億光年の孤独」というように反応する。
ご本人も、「谷川俊太郎=「二十億光年の孤独」」という図式に対して、長い間、当惑されていたそうだ。)
ひところ、クリスマスソングというえば、B’zか山下達郎か、という時代がありましたが、その山下達郎にもアトムの歌がある。
曲名は「アトムの子」
まさにアトムが成人したような、力強く、勇気と友愛に溢れる、いい歌です。
山下達郎の音楽に対する姿勢なども含め、この歌は好きな歌の一つです。
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どんなに 大人になっても
僕等は アトムの子供さ
どんなに 大きくなっても
心は 夢見る子供さ
いつでも 百万馬力で
みるみる 力がみなぎる
だからね さみしくないんだ
僕らは アトムの子供さ
意地悪する子がいたって
最後は仲良くなれたよ
あの子はどうしているだろう
今でも大事な友達
みんなで 力を合わせて
素敵な 未来にしよう
どんなに 大人になっても
僕らは アトムの子供さ
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(十万馬力が百万馬力になっているのもいい)
・・・で、フクシマ後の今日、思うことは・・・。
アトムには、太陽光発電と軽量蓄電池が開発されるまで、そっと寝ておいてもらおう、ということ。
(現在でも原子炉搭載だから、それほど軽量化にこだわる必要はないかも知れない)
そして、思い出したのが、三好達治の詩「雪」だった。
(三好達治は、谷川俊太郎のお父さんである谷川徹三さんと知り合いで、徹三さんが持ち込んだ息子俊太郎の詩を評価して「文学界」掲載への道筋をつけた人だそうだ)
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太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪ふりつむ
二郎を眠らせ 二郎の屋根に雪ふりつむ
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難解な詩ですが、単純に、
「太郎」を「アトム」に、「二郎」を「ウラン」に置き換えた。
そして、次に
「雪」を「放射能」に置き換えたとしたら・・・。
・・・とても書けない。
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