2016年7月1日金曜日

【つくられた貧困】東京が若者をブラックホールのように吸い込んだ結果が悪循環に 金子勝・慶応大教授に聞く (西日本新聞) ; 東京の4月の有効求人倍率は2・02倍と突出して高い。チャンスがある街のように見えるが、非正規で働く若者にとっては結婚できない、子どもを産めない街。出生率は全国一低い。東京が若者をブラックホールのように吸い込んだ結果、日本全体が少子高齢化していく悪循環に陥っている。社会の持続可能性は明らかに失われてきており、危険水域と言っていい。



(略)

 1990年代後期から続く労働法制などの規制緩和と、金融緩和が生み出したバブル経済による格差拡大の行き着いた先が、今の日本だ。「1億総活躍社会」にはほど遠い現実がある。 確かにすべての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えた。だが、これは少子高齢化や若者の流出で地方での求職者が著しく減っているためにそうなったにすぎない。景気回復ではなく、地域衰退の指標なのだ。

 地方には、高齢者福祉や建設、宿泊・飲食、卸・小売業くらいしか求人はない。若者はみんな東京などの大都市へ出てしまう。東京の4月の有効求人倍率は2・02倍と突出して高い。

 チャンスがある街のように見えるが、非正規で働く若者にとっては結婚できない、子どもを産めない街。出生率は全国一低い。東京が若者をブラックホールのように吸い込んだ結果、日本全体が少子高齢化していく悪循環に陥っている。社会の持続可能性は明らかに失われてきており、危険水域と言っていい。

(略)

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