Listening:<論点>2016参院選 越えた「改憲」ハードル - 毎日新聞 https://t.co/KdkbJI0VpC政権の非立憲的姿勢懸念 石川健治・東京大教授/今こそ学び、次の総選挙に 伊藤真・弁護士/改正に向け具体的議論を 大石眞・京都大大学院教授— 黙翁 (@TsukadaSatoshi) 2016年7月12日
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政権の非立憲的姿勢懸念 石川健治・東京大教授
安倍政権について懸念するのは、その「非立憲」的な姿勢だ。立憲主義的権力は独裁的権力と異なり、ほぼ対等の「ブレーキ役」を伴う権力だが、第2次安倍政権は政策実現のため、まず目障りなブレーキ役の破壊から始める姿勢が、発足当初から目立った。
アベノミクスも例外ではない。金融政策の運営を、政府・財務省から独立した中央銀行の中立的・専門的な判断に任せて物価を安定させようとした日銀法の原則を踏みにじり、財務省出身の黒田東彦氏を総裁に送り込んだ。アベノミクスの非立憲性は、それがどれほど優れた政策だったにしても、拭い去ることができない。
安全保障関連法の制定も同様だ。政府からの相対的な中立性を維持してきた内閣法制局の長官を、集団的自衛権容認派の外交官出身者に交代させた。ブレーキ役を破壊する政権の姿勢は「違憲ではないが非立憲」である。
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今こそ学び、次の総選挙に 伊藤真・弁護士
改憲勢力が3分の2を超えたことには何の意味もない。憲法改正の国会発議は、具体的にどの条文をどう変えるかという点について、3分の2の賛成が得られて初めて行われるからだ。
例えば今の憲法9条を変え、国防軍を創設する自民党の改憲案に公明党は賛成するだろうか。おおさか維新の会が改憲で教育無償化や憲法裁判所の設置を目指すとしているが、自民党の改憲草案にはいずれも入っていない。憲法裁判所には賛否両論があり、自民党は賛成するだろうか。
安倍晋三首相に批判的な勢力や、改憲反対の市民運動に取り組む人たちは「3分の2を改憲勢力に取られた」として憂慮したり、落胆したりする必要はない。むしろ今後、国会の憲法審査会で改憲論議が進んでいくときに、国民がもっと具体的な改憲を意識した議論をしっかりする。つまり、一種のピンチをチャンスに変える認識を持つことが重要だと思う。
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改正に向け具体的議論を 大石眞・京都大大学院教授
憲法改正をした方がいいという勢力が、参議院で3分の2の議席を確保したからといって、正直なところ騒ぎ過ぎという印象だ。憲法のここを改正したいと参院選で争ったわけではないので、憲法改正自体に対するイエスが出たとか、ノーが出たという話に結びつかない。
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