2012年8月2日木曜日

オスプレイ普天間配備「理解できぬ」 開発関与の元米高官/「空飛ぶ恥」と有力誌

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オスプレイ普天間配備「理解できぬ」 開発関与の元米高官/「空飛ぶ恥」と有力誌 
【ワシントン共同=上西川原淳】1980年代、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイの開発計画に国防次官補として関わったローレンス・コーブ氏が1日までに共同通信の取材に応じ、オスプレイの安全性は以前より向上したが、危険であることに変わりはなく、人口密集地に隣接する米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備は「危険を伴い、理解できない」と強い懸念を示した。
 米国防総省はオスプレイの安全性を強調しているが、専門家や元米軍幹部らから多くの疑念が指摘されている。開発計画に関わった当時の国防総省高官も不安視していることが裏付けられた形だ。
 81~85年に国防次官補を務め、現在は米シンクタンク、アメリカ進歩センター上級研究員のコーブ氏は、オスプレイは「製造されるべきではなかった」と明言した。
 同氏によると、父親のブッシュ政権当時のチェイニー国防長官はオスプレイに関し、あまりに高額だとして開発を中止しようとした。
 しかし、ブッシュ氏の後任となったクリントン大統領が前政権との違いを出すために、軍産複合体と一緒になり開発継続を決定。海兵隊の将校は、悪い情報を報告しないよう試験飛行部隊に伝えていたという。
 コーブ氏は、全エンジン停止の際、機体降下で生じる空気抵抗で回転翼を回して安全に着陸する「オートローテーション」機能を備えているかどうか「疑念を持っている」と述べた。その上で、オスプレイの普天間配備は「必要のないリスクを冒している」と指摘した。
(共同通信)

◎ 「空飛ぶ恥」と有力誌 米国内でも安全論争 
 【ワシントン共同】米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイは開発段階で犠牲者を伴う墜落事故が相次ぎ、米有力誌タイムが「空飛ぶ恥」と題する記事を掲載するなど、米国内でも安全性をめぐる論議が交わされた。
 米議会調査局報告書などによると、オスプレイは開発段階の1991年、92年、2000年に計4回の墜落事故を起こし、死者数は計30人に上った。
 タイム誌は07年の記事で「30人という死者数は(人類初の月への有人宇宙飛行計画となった)アポロ計画の犠牲者の10倍に上る」と批判。開発コストも問題視した。
 米軍はこうした中で量産に踏み切り、07年以降、戦時下のイラクやアフガニスタンに実戦投入した。
海兵隊は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備するオスプレイの事故率について、海兵隊の航空機全体の平均より低く「良好な安全飛行記録を持つ」(リトル国防総省報道官)と強調している。
 しかし、10年4月には空軍のオスプレイがアフガンで墜落、4人が死亡した。今年に入ってからも、モロッコ(4月)や米フロリダ州(6月)で海兵隊や空軍のオスプレイが墜落し、死傷者が出ている。
(共同通信)
2012/08/01 17:0

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