2011年7月2日土曜日

「安全性の確認はクリアできた」(佐賀県知事古川康)

地方自治体首長の原発へのスタンス --- 佐賀県の場合

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6月30日付け「朝日新聞」

見出し
玄海原発 再開容認 佐賀県知事 「安全性クリア」

記事
佐賀県の古川康知事は29日、定期検査で停止中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開について、海江田万里経済産業相と会談し、再開を容認する姿勢を示した。
東京電力福島第一原発の事故後、全国で原発が運転再開できずにいるが、佐賀県の動きをほかの自治体は注視している。

古川知事は「安全性の確認はクリアできた」としている。

(中略)

海江田経産相は、古川知事の要請で佐賀県を訪れた。
知事に対して「危険性のない所は政治の判断で動かす、本当に危ない所は責任を持って止める」と強調。
「玄海2、3号機の安全性には国が責任を持つ」と運転再開を要請した。

古川知事は、①安全性の確認、②地元の玄海町の意向、③県議会での議論という三つの必要条件を示してきた。
玄海町長は再開容認の意向。

知事は会談後の記者会見で、安全性について「疑問に思ってきた点は解消された」と表明した。
県議会最大会派の自民党幹部は「知事の意向を尊重することになるだろう」と話しており、運転再開を認める条件は事実上、すべて整ったことになる。

(後略)

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では、海江田氏が古川氏を説得して、「安全性の確認はクリアできた」という、その中身は何だろうか?

同日同紙の3面には、

玄海原発は津波が起きにくいと強調。
「しっかりと国が安全対策をとる。玄海原発の再開は国が責任を持つ」と明言。
古川氏の容認発言につながった。

と、解説している。

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では、「国の安全対策」なるものは・・・?

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6月18日付け「朝日新聞」によると、・・・

見出し
原発再開を要請 経産相「対策は適切」

記事
海江田万里経済産業相は18日、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓をふまえ、経済産業省原子力安全・保安院が7日に電力各社に指示していた各地の原発の緊急安全対策について、適切に実施されていると発表した。

(中略)

保安院は、原発事故を受けて3月末に非常用電源車設置など緊急安全対策を電力会社に指示。
5月に再起動を認めている。
だが、福井、佐賀県などが「対策が不十分」と難色を示していた。

そこで、政府が7日に国際原子力機関(IAEA)に出した報告書をふまえ、保安院が電力会社10社と日本原子力研究開発機構に、炉心損傷をともなうような過酷事故(シビアアクシデント)対策を追加するよう指示。
15、16両日に各原発に立ち入り検査した。
保安院は、水素爆発が起きないよう原子炉建屋から水素ガスを逃がす手順の確認など、短期的な対策は適切にとられたと判断した。

一方、政府がIAEAに出した報告書には、原子炉建屋の改造工事や専門的な人材の育成強化など、電力会社が数年かけて実施する中長期的な安全対策も盛り込まれているが、今回の追加対策には盛り込まれていない

(後略)

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そして、6月20日付「朝日新聞」によると、

菅直人首相は19日、海江田万里経済産業相が定期点検で停止中の原発の早期再開を求めたことについて「私も(考え方は)まったく同じ。きちんと安全性が確認されたものは、稼動していく」と述べ、海江田氏の判断を支持した。」

ということだそうだ。

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