「朝日新聞」7月5日付け夕刊に掲載された、池澤夏樹さんの意見。
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タイトル
「ぎりぎりまで居座ればいい」
池澤さんは、菅内閣を巡る政争について、
「・・・あまりかんぐりたくないと思いながら、この「政局の混乱」というのは要するに、電力政策の転換への抵抗が理由なのではないかと考える。
主体は、産業界、経済産業省、自民党、ならびに民主党の一部であるのだろう。」
とみる。
「・・・。産業界の求めるものと環境問題に関心のある市民の求めるものは違う。
その間で何らかの結論を出さなければならない。」
その両勢力のせめぎあいが、現在の政局の混乱の根本にあるとみる。
菅直人については、
「会ったことはないが、ひょっとしたら友人にしたくないような人なのかもしれない。」
としながらも、
だけど、
「首相の性格はどうでもいい。
政策だけで政治を見よう」
と言う。
菅が、「初当選した翌々年の一九八二年に、衆院科学技術委員会で再生可能エネルギーの普及を訴えた。」
これ以降の「この問題への彼の姿勢は一貫している。」と評価する。
結論は・・・。
「今、菅首相には罵詈雑言に耐えて電力政策の転換の基礎を作ってほしい。
とんでもない人事を実行し、ぎりぎりまで居座り、改革を一歩進めてほしい。
なぜならば、福島の惨状を見れば明らかなとうり、原発に未来はないからだ。
ドイツとスイスとイタリアに次いで、原子力からの賢明な撤退を選ぼう。」
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先に論壇時評で取り上げられた、「鼻をつまんで菅を支持する」と同じ理屈。
菅の後のことを考えると、この意見には傾聴するべきものがある。
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