2013年3月17日日曜日

敦賀のふげん、放射性物質トリチウムが漏れる。 1週間後に公表。

読売新聞
新型転換炉ふげん、トリチウム含む蒸気漏れる

 日本原子力研究開発機構は15日、廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)で8日、微量の放射性物質トリチウムを含んだ蒸気が外部に漏れた、と発表した。

 漏出したのは、国が認めた年間許容量の約1000分の1で、環境、人体に影響はないという。

 同機構によると、協力会社の従業員が原子炉補助建屋1階の実験室で、核分裂反応を制御する重水の不純物を取り除く作業を行った際に、蒸気を水に戻す冷却装置のスイッチを入れ忘れ、8日午前10時20分から同11時20分頃までの約1時間、トリチウム約11億ベクレルを含む蒸気が排気筒から外に漏れたという。

(2013年3月15日12時44分  読売新聞)



ふげん放射性物質漏れ機構「報告案件でなかった」

 15日に明らかになった廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」(敦賀市)での放射性物質漏えいトラブル。一時は通常の2倍の濃度の放射性物質が漏れ出ていながら、公表が1週間後になった理由について、日本原子力研究開発機構は「原子炉等規制法などで報告が義務づけられた案件ではなかった」と説明。しかし、今後は放射性物質漏れのような市民の関心を集める事案については迅速に公表する方針を示した。

 機構によると、協力会社の従業員が8日午前9時30分から、原子炉補助建屋1階の実験室で、核分裂反応を制御する重水の不純物を取り除く作業を開始。その際、蒸気を水に戻す冷却装置のスイッチを入れ忘れたため、同11時20分頃までの約1時間、トリチウム約11億ベクレルを含む蒸気が排気筒から外に漏れたという。

 同日午前10時40分頃、原子力規制庁の検査官が同行する2時間ごとの定時パトロール時に、中央制御室で主排気筒のトリチウム計測器の数値が通常の約2倍まで上昇しているのを確認し、漏えいが判明。機構は同日夕、県と敦賀市に報告した。

 機構は毎週金曜日午後3時に、県庁や敦賀市役所で高速増殖原型炉「もんじゅ」やふげんの保守管理状況などを報道機関に説明している。今回のトラブルも15日午後に公表する予定だったが、同日午前に敦賀市議会の原子力発電所特別委員会があったため、市が先に公表した。

 一方、県も事前に報告を受けていたが、公表はしなかった。県の担当者は「機構と結んだ安全協定で定める異常時にあたらない。これまでも同様のトラブルは発表していない」として、今後も公表範囲を拡大する考えはないことを強調した。(藤戸健志、野中明子、酒本友紀子)

(2013年3月16日  読売新聞)




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