東京新聞【神奈川】
若年ニート20人に1人 横浜市推計 ひきこもりは8000人
2013年3月27日
横浜市が市内の若者を対象に実施した実態調査で、二十人に一人が就職せず通学もしていない「無業者(ニート)」という推計結果が出た。ひきこもり状態の若者も約八千人に上るとしている。市は「相当な数の若年無業者に対し、支援が十分足りていない」と分析する。(中沢誠)
調査は、ひきこもりの若者支援のあり方を探るため、昨年八~九月に初めて実施。十五~三十九歳の男女から無作為に抽出した三千人にアンケートを行い、千三百八十六人から回答があった。
働いていないと答えた若者は4・98%の六十九人(男性三十七人、女性三十二人)で、人口から市内で約五万七千人がニート状態と推計した。二〇一〇年度の国勢調査でも、市内の若年ニート人口は約五万九千人との結果が出ている。
自宅から六カ月以上出ていないと答えた若者は0・72%の十人(男性六人、女性四人)で、約八千人がひきこもり状態と推計した。ひきこもりたいと思っている「ひきこもり予備軍」も六十三人と、推計で約五万二千人に上った。
ほとんど外出しないと答えた若者七十二人の中には、無料相談や、自分のペースで支援してくれる機関を望む声がある一方で、「相談したくない」という意見が三分の一を占めた。多かったのは「行っても解決できない」という理由だった。
また、「支援や相談の機関を知らない」という回答が72・1%に上ったほか、相談相手に支援機関やカウンセラーを選ぶという若者は少なかった。
市青少年育成課の飯田学担当係長は「支援が届いていないケースが圧倒的に多い。今回の調査を基に効果的な支援策を検討したい」と話している。
市はアンケート対象者とは別に、若者支援の民間団体を通じて、若者三十人からヒアリング調査も行った。
その結果、不登校からひきこもりになるケースが多く、十年以上ひきこもり状態の人もおり、市は「学校でのつまずきが長期化している」と分析。ニートについては「学校だけでなく就職活動でのつまずきも影響している」とみている。
横浜で若者の就労を支援する「よこはま若者サポートステーション(サポステ)」の綿引幸代施設長の話 調査結果に表れない隠れたニートやひきこもりの若者は、もっといるはず。支援につなげるには、構えた相談機関だけではなく、若者が集まりやすい居場所づくりも有効だろう。ただ、サポステでは表に現れた相談の対応だけで精いっぱい。一カ月待ちの状態で、現状の支援態勢の拡充も必要だ。
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