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また消える京町家の灯 京都・四条通に現存、来春取り壊しへ
2014年12月20日 21時42分 産経新聞
京都のメーンストリート・四条通に唯一残っていた京町家が解体の危機に直面している。
築104年の建物には当時のままの出格子などが現存し、NPO法人が昔ながらの暮らしぶりを伝えるため一般公開してきたが、多額の補修費用などで維持が困難になったという。来年3月末にも取り壊される予定で、20日には関係者がお別れ会を開催した。古都の風景から町家がまた一つ姿を消すことになりそうだ。
町家は明治43年に鋼材卸商の居宅として建築。約350平方メートルの敷地に、通り庭や土蔵などが現存。出格子などのしつらえもそのまま残っている。
平成11年に繊維商社「京都麻業」(京都市中京区)の小泉光太郎社長(78)が購入。観光客らに一般公開し京都の伝統的な生活文化を伝えていた。14年からは京都市が場所を借りて伝統産業振興館を運営していたが、財政難を理由に撤退。その後は、小泉さんら有志が22年にNPO法人「四条京町家」を設立し運営を再開していた。
だが、多額の維持費や固定資産税などで継続が困難となり、小泉さんは土地建物の売却を決めた。全面移築などによって建物の存続を模索しているがめどはたっていない。移築費用などが工面できなければ来年3月末には取り壊すという。
小泉さんは、「引き渡し期限のギリギリまで存続の道を探りたい。この家はなんとか残したい」といい、費用を支援してくれる団体や有志らを募っている。
市内には約4万7千戸の町家があるが、所有者らの高齢化に伴い、高額の維持管理費や相続、老朽化などを理由に解体される町家が増えている。市などの調査によると、市内の町家は年約2%ずつ減少している。
市によると、取り壊しや外観変更を規制した市景観重要建造物や歴史的意匠建造物に指定されている町家は約150戸。指定には所有者の同意が必要で、売却などが難しくなるため、同意に慎重な所有者も少なくないという。
市景観政策課の担当者は「できる限りのことはしたいが、市としても手の出しようがない。京都からまた町家がなくなってしまうのは残念でならない」と話している。
産経新聞
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