2026年3月6日金曜日

〈トランプ大統領、イラン先制攻撃を「予感」で正当化〉 → 「彼らは精神的に異常」 トランプ氏、イランが攻撃してくると「感じた」ため先制攻撃と説明(ロイター) / 二転三転するイラン攻撃の「根拠」、ただ事態を悪化させるトランプ氏(CNN) / 報道官リーヴィット:「大統領は事実に基づいた「予感」を、再び持っていました。イランがアメリカを攻撃するつもりだと」 / ニューヨークタイムズ(3月2日)「トランプはいかにして戦争へと踏み切ったのか」    

 

核協議決裂直後、米国とイスラエルは2月28日から「Operation Epic Fury」を開始し、B-2、B-1、B-52爆撃機でイランの核施設やミサイル基地など1700カ所以上を破壊した。トランプ氏はイラン指導者を「精神的に異常」と非難し攻撃を正当化した一方、ルビオ国務長官は「イスラエル報復防止のため」と異なった理由を述べ、CNNは自己矛盾と分析。イランはホルムズ海峡封鎖と石油タンカー攻撃で報復し、世界経済への影響が懸念されている。

 

 

ニューヨークタイムズは3月2日、「トランプはいかにして戦争へと踏み切ったのか」とする長文の調査報道を出した。
それによると、トランプ政権がイラン攻撃に踏み切るまでの外交交渉は表向きだけで、イスラエルのネタニヤフ首相の強い働きかけを受けて、早い段階でイランの「体制転換」を目的とする協議と準備が進んでいたという。 
 トランプは当初、表向きは外交と軍事の双方を示唆する発言を繰り返していたが、政権内部では「イランの体制転換」が話し合われ、軍事行動に強く反対する声はほとんどなかった。
 軍首脳は戦争のリスクや米軍死傷者の可能性を警告したが、政権は議会に十分な説明をせず、体制転換を検討していることも公には明かさなかった。 
 イランとの交渉では、米国側は核濃縮の完全放棄を要求し、合意の余地はほとんどなかった。外交は結果的に、中東への空母派遣など米軍増強を完了させる時間を稼ぐ役割を果たした。
 CIAは最高指導者ハメネイ殺害後にの複数のシナリオを検討し、強硬派の宗教者が後継となるとか、民衆蜂起が起こるというものがあった中で、現実主義的なイスラム革命防衛隊(IRGC)の一派が権力を掌握する可能性に、政権は期待を寄せた。 
 記事では「CIAの分析では、もし米国が(IRGCの)その一派の経済活動、例えば石油産業における影響力などに干渉しない限り、この軍人グループは米国に対して融和的な姿勢を取る可能性があると示されていた。
彼らはイランの核計画を放棄したり、あるいはイランの(ヒズボラ、フーシなど)代理勢力による米国への攻撃を抑制する可能性さえある」と書いている。 
 最終的な攻撃決断を後押ししたのは、ハメネイと軍・政府高官が同じ場所に集まるというCIAの情報だった。
米国とイスラエルはこれを好機と判断し、戦争は最高指導部を狙う「斬首攻撃」から始まった。

 ※川上コメント:
NYTの記事を読んでも、イランの体制転換という決定が先にあり、その前提となる、イランは米国にとって差し迫った脅威なのか、という議論や検討や評価が何もなされなかったことが分かる。
「体制転換」が先にあったというのは、イラク戦争とまったく同じ構図だが、それがトランプとネタニヤフの間で決まったというのは、今回のイラン攻撃の異常さである。 NYTには次のような下りがある。 
イラン攻撃という米国の決断は、ネタニヤフ首相にとって勝利であった。彼は数カ月にわたり、イラン政権は弱体化していると主張し、攻撃する必要性をトランプ大統領に強く訴えてきた。 12月、フロリダ州のトランプ氏の邸宅マール・ア・ラーゴで行われた会談で、ネタニヤフは今後数カ月以内にイスラエルがイランのミサイル基地を攻撃する計画について大統領の承認を求めていた。 そして2カ月後、彼はそれ以上のものを手に入れた。 すなわち、イラン指導部を打倒する戦争における全面的なパートナーとしてのアメリカである」 
How Trump Decided to Go to War



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