2012年1月30日月曜日

斉衡2年(855)~斉衡3年(856) 地震により東大寺大仏の頭が落ちる

京都 神泉苑(2012-01-24)
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斉衡2年(855)
この年
・この年ころ、大和国に検非違使が存在している。
畿内、さらに諸地域にこれを設置する端緒が開かれる。
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1月
・この月、奥郡の騒乱に関する記事が見える(『日本文徳天皇実録』)。
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2月17日
・藤原良房らに『続日本後紀』の撰修を命じる。
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5月23日
地震により東大寺大仏の頭が落ちる

貞観3年(861)、修理され、開眼供養が行われた。

鴨長明「方丈記」の「元暦の大地震」(元暦2年(1185))の項に、 
「又元暦二年の頃、大地震ふること侍りき。」
「「昔、齊衡(せいかう)の頃かとよ。大地震ふりて、東大寺の仏のみぐし(御頭)落ちなどして、いみじき事ども侍りけれど、猶この度にはしかず」とぞ。
すなはち人みなあぢきなきことを述べて、聊か(いささか)こころのにごりもうすらぐかとみし程に、月日かさなり、年越しかば、後は、言の葉にかけていひ出づる人だになし。
とある。

(「昔、斉衡のころ。大地震が起きて東大寺の大佛の頭が落ちたなどたいそうなことがおきたけれども、この度の地震ほどではない」という。
その直後には誰も彼もがこの世の無常とこの世の生活の無意味さを語り、いささかの欲望や邪念の心の濁りも薄らいだように思われたが、月日が重なり、何年か過ぎた後はそんなことを言葉にする人もいなくなった。」)
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9月28日
・東大寺大仏を修繕。
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斉衡3年(856)
この年
・仙遊寺建立。(後の泉涌寺)
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3月
・地震が相次いで起り、京中に被害続出。
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3月21日
・円仁、文徳天皇に両部灌頂を授け、同時に皇子の 時有(素延)・毎有(算延)らにも灌頂を授ける。
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4月22日
・五世王を皇親から除く。五世王は非皇親とし、服色を諸臣の位階に准じるものと定める。
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5月9日
・疫災退散を願い、大極殿・冷然院・賀茂社・松尾社で大般若経を読経。
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7月7日
・藤原長良(55)、没。
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8月8日
・安房国に黒灰が降る。
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9月
・円仁、皇太子惟仁親王に灌頂を授ける。この時、藤原良房・明子にも灌頂を授ける
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11月1日
・近江国大津で火災。
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12月28日
・美作国より白鹿が献上され、神泉苑に放つ。
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