2013年3月23日土曜日

ハローワークの相談員ら非正規職員2,200人(約1割)、3月末で突然「雇い止め」。 ブラックジョークではない

東京新聞
<はたらく> 非正規職員の相談員ら ハローワークで大量雇い止め    
2013年3月22日

 雇用の安定を目指すはずのハローワーク(公共職業安定所)で、相談員などとして全国で働く非正規職員のうち、約一割に当たる二千二百人が、この三月末で職を失う。突然「雇い止め」を告げられた職員たちは、業務で失業者の相談に乗りつつ、自らも勤務時間外や休暇に職を探す事態となっている。四月以降、窓口が混乱しないか懸念する声も上がる。 (稲田雅文)

 「窓口を訪れた人の中には、雇用保険や職業紹介以外の福祉サービスが必要な場合も。制度の知識と経験が求められる職場なんです」。東海地方のハローワークで、受け付け業務を担う非正規職員の五十代女性は訴える。二月下旬に突然、上司から「任期の更新はしない」と言われた。

 職に就いて三年半。雇用保険の給付や職業紹介、訓練など、多種多様な制度への理解をようやく深めたところだった。案内をした人が帰り際に会釈をしてくれると「人の役に立てた」と感じる。退職金や賞与、夏季休暇もなくてもやりがいのある仕事だっただけに、雇い止めを告げられたときは「涙が出た」。

 一年単位で任用される職員は、更新されない可能性があると頭では理解していた。だが「仕事も忙しいし、働き続けられると思っていた」という。今は土曜日に開いているハローワークの窓口で、仕事を探している。

 東京の非正規職員たちは昨年九月、待遇改善などを求めようと労働組合を結成した。書記長の戸田輝美さん(57)は「雇い止めにされる人と働き続けられる人をどう決めているのか、基準はあいまい。再任用する際のルールの確立と透明化が必要だ」と訴える。

 同じく雇い止めとなる四十代の女性は「行政として、雇用の安定や正社員化を促す施策を進めているのに、自分は説明もなく、雇い止めにしているのは横暴」と批判する。四月からは職業訓練を受けるつもりだ。「不安定な非正規はこりごり。じっくりと正社員の仕事を探したい」

 今回は更新となった別の四十代女性は「民間企業で働く人は法律で守られているのに、非正規の国家公務員は法の隙間にいて守られていない」と訴える。民間企業が非正規労働者を採用する際は、労働契約法やパート労働法で規制され、雇い止めには歯止めがかかっている。一方で公務職場の非正規職員の場合は、国家公務員法などに基づいて「任用」される。一年単位で任用する非正規職員を保護する規定はないため、法的に守られていない。「毎年、一月、二月になると更新されないのではないかと、びくびくしています」

     ◇

 厚生労働省によると、二〇一二年度の全国のハローワークの職員は三万一千七百六十五人。うち、非正規職員が二万百七十六人と全体の63・5%を占める。部署によっては、正規職員の十倍以上の非正規職員がおり、主なサービスの担い手となっている。

 〇八年度は一万二百二十一人だった非正規職員は、リーマン・ショック後の〇九年度に一気に一万七千八百七十人にまで増員。一一年の東日本大震災後も増やされた=グラフ。

 一三年度は約二千二百人減の一万八千人程度に絞り込まれる見込みだ。同省の担当者は「リーマン・ショックと東日本大震災で増えた業務量も落ち着いてきており、財務省の査定も厳しくなっている」と説明。減員分は業務の簡素化などで対応するという。

 減らされる現場からは不安の声も。ある正規職員は「職場が回るかどうか。利用者に迷惑を掛けるかもしれない」と話す。

 非正規職員千三百人が加入する全労働省労働組合は「被災地などでは、まだ多くの業務がある。大幅に減らしていいのか」と批判。雇い止めになる職員に労働行政にふさわしい、きめ細かな対応を取るよう求めている。


質の悪いブラックジョークのようだ




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