2013年3月17日日曜日

丸山真男氏が被爆体験を詳しく語った肉声記録が現存していた。

中国新聞   '13/3/4
丸山真男氏の肉声録音が現存

 戦後日本を代表する政治思想史家、丸山真男氏(1914―96年)が被爆体験を詳しく語った肉声記録が現存していた。中国新聞記者だった林立雄氏(昨年12月に79歳で死去)が69年に録音し、保存していた。丸山氏自らは著作で広島での体験にほとんど触れていない。原爆資料館は「貴重な記録」と、遺族の協力を得て保存・活用する方針である。

 丸山氏は召集で広島市宇品町(現南区)にあった陸軍船舶司令部に配属され、45年8月6日朝は司令部前の広場にいた。爆心地から約4・6キロだった。

 情報班員で1等兵だった丸山氏は翌7日、トルーマン米大統領による「原子爆弾投下」のラジオ声明を傍受、9日には、廃虚と化した市中心街を報道班長や写真班員と歩いた。

 インタビュー録音は、東大教授だった丸山氏が肝炎のため入院していた都内の病院で69年8月3日、約2時間行われた。証言の一部は同月5、6日付中国新聞夕刊で「24年目に語る被爆体験」の見出しで掲載された。

 録音の中で、「今日に至っても新たに原爆症患者が、なお生まれつつあるという現実を、一体、どう説明するか。広島は毎日起こりつつある現実で、新しくわれわれに問題を突きつけている」と語っていた。

 録音のことを知った原爆資料館の問い合わせに、都内に住む林氏の長女が廿日市市の郷里宅で録音記録の所在を確認した。

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