2013年1月21日月曜日

忌野清志郎『瀕死の双六問屋』を読む(その2) 「外見をきれいにして何になる。 中身をみがく方が大切なことなんだ。」

江戸城平川門 2013-01-15
*
忌野清志郎『瀕死の双六問屋』を読む(その2)

第十二話 ケンとメリーのGTR
フジ・ロックのキャンプ場に向かうケンとメリーのお話であるが、ここでは(*注)がよかった。

*注)ウッドストック・コンサート
 1969年8月、アメリカニューヨーク州サリヴァン郡で行われた「ウッドストック・フェスティバル・愛と平和と音楽の3日間」は、60年代カウンターカルチャーの集大成として、またヒッピー文化に彩られたロックの「幸福なる時代の象徴」として、もはや伝説となっている。
参加者は当初の予想(2万人程度)をはるかに上回り、40万人とも50万人ともいわれる人々が600エイカー(約240ヘクタール)の農場を埋めつくした。
周辺道路は大渋滞となり、ミュージシャンたちは急遽ヘリコプターで会場へ。
設備や食料の不足など多くの混乱にもかかわらず、人々はみな助け合い、わずかな交通事故を除いて、暴力沙汰や犯罪は一切おこらなかった(と語り継がれている)。
 このフェスティバルでトリを務めたジミ・ヘンドリックスは、鬼気せまるぐっしゃぐしゃの「アメリカ合衆国国歌(星条旗よ永遠なれ)」で世界中の度肝をぬいた。
キヨシローは「君が代」(アルバム「冬の十字架」に収録)の最後のほうで、ちょこっとジミヘンにトリビュート。
ちなみにキヨシローの公式HPのタイトルは「地味変」である。

第十三話 最高の一日の始まりに乗り遅れてはなるものか
(アイドルのための作曲を依頼された話)
・・・。だいたいアイドルくんになりたがる子供はずいぶん多いらしいが、よっぽど何か自信があるんだろうか? 
自分の顔に自信がある子供なんているんだろうか? 
だってアイドルって顔が良くなくちゃダメなんだろ? 
どんな顔の人だって輝くときは、とてもいい顔だ。
どんな美形だって、つまらない人間では、それほど美しくもないぜ。
本当にかっこいい奴なんて始めから決められてはいないんじゃないのか。
演奏と歌手のキーがあそこまであってなくてもだんご三兄弟(*注)は売れてしまうのだ。
本屋(書店)で楽譜まで売られている。昔なつかしいピースというやつだ。
俺がガキの頃にはビートルズやベンチャーズのピースが売られていたよ。
今では本屋や楽器屋で売られてるのはだんごだけだ。

第十四話 5個目のボタンの方が心配だ
・・・戦争はいけないよ。NATOはいったい何をやってるんだい? 
政治家以外の人々は誰も戦争で死にたくなんかないんだよ。
友達を裏切る奴なんて最低なんだぜ。
自殺はやめろ。生きろ。

第十五話 本当に必要なものだけが荷物だ

第十六話 続・ケンとメリーとGTR
「続・ケンメリの篇」の方は、ウッドストックと対照的なワイト島だ。

(*注)ワイト島
 英国南東部、イギリス海峡のワイト島でもロック・フェスティバルが行われた。
とくに「伝説のウッドストック」の翌年、1970年に開かれた「第3回ワイト島ロック・フェスティバル」は4日間で60万人という大動員となったが、「フリー(無料)」を求める観客が暴徒化。
主催者側およびスタッフの不備ともあいまって、出演ミュージシャンをも巻き込む大混乱に。「愛と平和という共同幻想」の危うさを露呈する結果となってしまった。
ドキュメンタリー映画「ワイト島1970」には、これらの様子がリアルに記録されている。
 なお、ボブ・ディランのアルバム「セルフポートレイト」収録の「ライク・ア・ローリングストーン」(バックはザ・バンド)は、この前年、「第2回ワイト島ロック・フェスティバル」でのライブ。観客席にはビートルズやストーンズのメンバーもいた。

第十七話 雨の日のカー・ウォッシュ
(ラストの部分) 

 それでは、失礼する。
クルマをやたら洗うな。たま~に洗ってやる方がいい。
洗うってことは傷つけてることでもあるんだぜ。
君の大好きなTシャツのことを想い出してみろよ。きれいに洗うたびにヨレヨレになっていっちまった、あのTシャツだ。
外見をきれいにして何になる。
中身をみがく方が大切なことなんだ。
それは世界の平和の第一歩なんだよ。

(その3)につづく
コチラ ↑

はコチラ ↑




0 件のコメント: