京都新聞
「脱原発依存」6割が可決 京滋の市町村議会
福島第1原発事故以降、京都と滋賀の全45市町村のうち、原発依存からの脱却を求める意見書や決議を昨年末までに可決した議会が、京滋とも6割を超える計28市町に上ることが、京都新聞社の調べで分かった。再稼働反対や再生可能エネルギーへの転換を促す意見書を可決した議会を含めると35市町村に達する。脱原発に慎重な政権与党の自民党と地方議会にずれが生じていることが浮き彫りになった。
京都府(26市町村)では京都市や宇治市、京丹波町など16市町で脱原発依存の意思を明記した意見書・決議が可決された。
表題に「脱原発に向けた取り組みを求める」(木津川市)と掲げたり、本文に「脱原発依存社会へ向けて廃炉計画を速やかに示すこと」(綾部市)と盛り込むなどしている。滋賀県(19市町)では草津市や彦根市など12市町で可決された。
脱原発の文言はなくても、原発再稼働に反対したり、再生可能エネルギーへの転換を促す意見書も、府内は5市町村、県内は2市で可決された。
立命館大の村上弘教授(地方自治論)は「過去を見ても、1980年代から国の原発推進に対し、予定地の府県や市町村の多くが反対を表明し、建設を止めてきた例がある」と指摘した上で、「昨年の衆院選で比例代表の自民党の得票率は3割弱なので、国民が全て自民のエネルギー政策に賛成したとは言えない。意見書に法的拘束力はないが、政府や国会は参考にすべきものだ」と話している。
■意見書や決議を可決した議会■
【脱原発依存】
京都府内=京都市、福知山市、綾部市、宇治市、宮津市、城陽市、向日市、京田辺市、京丹後市、木津川市、大山崎町、井手町、宇治田原町、精華町、京丹波町、与謝野町
滋賀県内=彦根市、長浜市、近江八幡市、草津市、守山市、甲賀市、野洲市、湖南市、東近江市、米原市、竜王町、甲良町
【再稼働反対や再生エネ促進(上記除く)】
京都府内=舞鶴市、亀岡市、長岡京市、伊根町、南山城村
滋賀県内=大津市、高島市
2013/01/24 18:33 【京都新聞】
0 件のコメント:
コメントを投稿