2013年4月23日火曜日

イカ漁 円安・燃油高で全国一斉休漁へ

NHK
イカ漁 円安・燃油高で全国一斉休漁へ
4月23日 12時9分

小型のイカ釣り漁船で作る業界団体は、円安の影響で燃料価格が高騰し、操業しても赤字になるとして、今月26日と27日の2日間、漁を全国一斉に休むことを決めました。

水産庁によりますと、漁船の燃料となるA重油の価格は、円安の影響で今月には1キロリットル当たり9万6600円に上昇し、円安が進む前の去年11月と比べて1万円以上値上がりしています。
このため、小型のイカ釣り漁船で作る「全国いか釣漁業協議会」は、燃油価格の高騰によって、操業しても赤字になるとして、今の時期に漁を行っている全国およそ1000隻の漁船の漁を、今月26日と27日の2日間、一斉に休むことを決めました。

イカ釣り漁船は、漁に使う照明にも燃料を使うため、コストに占める燃料価格の割合が3割を超え、ほかの漁船に比べて燃料高騰の影響を受けやすいとされています。

燃料価格の上昇による漁船への影響では5年前、全国およそ20万隻が2日間の一斉休漁を行っていますが、全漁連=全国漁業協同組合連合会は、「このまま円安傾向が続けば、今後はイカに限らず、全国一斉の休漁も視野に対応を協議していかなくてはならない。政府に早急な対策を求めたい」と話しています。

林農林水産大臣は23日、閣議後の記者会見で、「これまでも燃油の高騰については対策を取ってきたが、今後の燃油価格の動向を見て機動的に対応していきたい」と述べ、今後の燃料価格動向を見たうえで、必要な対策を検討する考えを示しました。

官房長官「動向注視し適切に対応」
菅官房長官は23日、閣議後の記者会見で、「漁船は、すべての支出に占める燃油費の割合が、ほかの船より極めて高く、イカ釣り船だと3割から4割と言われている。政府としては、燃油価格が高騰したときに燃油費を補填(ほてん)する事業を実施しており、平成25年度予算案では35億円を計上している。今後の高騰に対しても一定の対応が可能であり、燃油価格の動向を注視して適切に対応していく」と述べました。

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