2013年4月21日日曜日

世田谷保健所が内部告発情報を漏洩 業者、告発者を即日解雇

MSN
世田谷保健所が内部告発情報を漏洩 業者、告発者を即日解雇
2013.4.20 01:30 

 内部告発を受け弁当製造配送業者の抜き打ち検査を行った世田谷保健所(東京)が業者側に告発の事実を漏らし、通報したパート勤務の女性(55)が検査当日に解雇されていたことが19日、関係者の話などで分かった。公益通報者保護法のガイドラインは、告発に伴う調査について「通報者が特定されないよう十分配慮する」と規定。消費者庁消費者制度課は「告発者が容易に特定される情報の漏洩は、規定に抵触する可能性がある」としている。

 女性は解雇無効などを求める訴えを東京地裁に起こしている。訴状などによると、女性は弁当製造の衛生管理に問題があるとして昨年12月上旬、世田谷保健所に通報。保健所は同月下旬に抜き打ち検査に入った。業者側は検査終了後に内部告発者を調べ、事実を認めた女性は即日解雇された。

 取材に対し業者側は「以前から女性の勤務態度には問題があり、解雇は適法」と主張した上で、内部告発を把握した経緯については「保健所の検査員から聞いた」と説明。女性も「検査員が業者側に話しているのを見た」としている。

 同保健所は「個人情報に関わるため答えられない」としている。


 「公益通報支援センター」(大阪市)の事務局長、阪口徳雄弁護士は「小さい事業所なら、氏名を言わなくても告発者が特定されやすい。告発対応に慣れていない機関にありがちな、お粗末な調査だ」と指摘。「告発者を守る意識が社会で徹底されなければ、公益通報制度は機能しない」と訴えている。



 公益通報者保護法 一定の要件を満たす内部告発を「公益通報」と位置づけ、告発者に不利益な処分を下すことを禁じる法律。三菱自動車のリコール隠し、雪印食品の牛肉偽装などが内部告発で明らかになったことを受け、平成18年4月に施行された。一方、消費者庁の調査では告発をためらう理由として「職場に通報を知られる不安」が最も多く挙がり、制度運用に課題を残している。

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