東京新聞
「安全安心なんてあるのか」 首長会議で不満続出
2013年4月13日
「住民は国を信頼しない」「拡散するべきではない」。県内四十四市町村の首長らは次々に不満を口にした。一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル超の放射性物質を含んだ「指定廃棄物」の最終処分場を選定するため、環境省が十二日に県庁で開いた会議。いったんは候補地とされた高萩市の草間吉夫市長は「本当に丁寧に説明しないと合意形成は無理だ」と苦言を呈した。
環境省は、処分場候補地を選ぶにあたって市町村と共通理解を持ち、専門家の検討や現地調査を行うと説明。二重のコンクリート構造物や特殊な土で放射線や雨水を遮るなど、埋め立て設備の安全性も強調し、県内建設に理解を求めた。
出席した市原健一つくば市長は「想定外の事故は起こった。『国が安全と言っている』と説明しても住民から信頼されない」と反発。豊田稔北茨城市長も「安全安心なんてどこにあるのか。あなた方が神話をつくった」と断じ、大久保太一常陸太田市長も農産物の風評被害を例に「安全だから理解しろというのは真っ向反対」と言い切った。
吉原英一坂東市長は「放射性物質を拡散させてはいけない」と述べ、福島県内の一カ所で管理した上で、国は住民に手厚く補償するべきだと指摘。村上達也東海村長や会田真一守谷市長らが「重要な考え方だ」などと理解を示し、草間市長も終了後の取材に「全国で一カ所にするべきだ。福島も一つの考えだと思う」と語った。
井上信治環境副大臣は終了後、取材陣に「意見を十分に尊重しながらも、何とか県内で処理させていただこうと思っている」と述べ、今後の進め方については「まだスタートした段階。相反するが丁寧に手続きを踏み、急いで取り組みたい」と説明した。 (指定廃棄物取材班)
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